産業春秋／新紙幣発行で株価は上昇？

７月３日の株価は上がるだろうか。１９５０年以降、新紙幣の発行は１１回あり、うち７回は前日比で上昇していた。タンス預金が新札に両替され、一部が消費に回るのかも気になる。

３額面そろって新紙幣に移行した２００４年１１月１日は株価が上昇した。一方、旧札と比べてサイズが小さくなった８４年１１月１日は下落した。海外の紙幣に合わせたものだが、新紙幣に合わせた小さめの財布に買い替えたのは、しばらくたってからだった。

“一富士二鷹三茄子”。初夢のことではあるが、吉夢として真っ先に思い浮かぶ。その富士山は５１年発行の５百円札以来、８４年発行の５千円札と０４年発行の千円札紙幣の裏面に描かれている。

今回は千円札に富嶽三十六景「神奈川沖浪裏（おきなみうら）」が登場する。世界に知られる葛飾北斎の名所浮世絵は、円の国際的地位を上げてくれるだろうか。

投資の格言に“人のゆく裏に道あり花の山”がある。花の図柄は新５千円札にも使われる。６月末の給与から定額減税がなされ、夏のボーナスも重なるタイミング。新紙幣発行で消費に弾みが付いてほしいところ。“新紙幣は富士の山あり、花もあり”。株価、さらには景気の上昇につながることを期待したい。