(2024/7/5 17:00)
金沢大学の高橋憲司教授と津田駒工業は5日、年間3000サンプルの植物由来プラスチックを合成できるロボットシステムを開発したと発表した。樹脂合成と精製を自動化し、人間の作業者5人分の働きをする。コンピューターシミュレーションでは30万種の植物プラの物性を推定しており、実験データと計算データを組み合わせて開発を加速させる。
セルロースなどの植物原料をイオン液体に溶かして化学修飾し樹脂化する。樹脂は粉末状の固体として得られる。1日に10サンプル、300日稼働で3000サンプルを合成できる。自動化で化学修飾などのバラつきを抑える効果もある。
30万種のシミュレーションでは石油由来の樹脂をおおむねカバーできる物性値をもつ候補が見つかってきている。樹脂合成のペースを上げて、実際にデータを集めて実証する。実験データが蓄積すると人工知能(AI)に学習させ、より効率的に条件を絞り込めるようになる。
植物プラは脱炭素や資源循環型社会の柱となる材料。だが製造コストや物性に制約があり、普及には至っていない。研究開発の加速が求められていた。
(2024/7/5 17:00)
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