(2024/8/9 12:00)
30代の頃に米国で読んだのが司馬遼太郎著『坂の上の雲』だ。意思決定ができない、スピード感がない、年功序列。それが嫌で米国に渡った。多様な本を読み、この本に出会った時に衝撃を受けた。
同書は弱小国が大国に勝つ話だ。「まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている」という一文が好きだ。秋山好古・真之兄弟と正岡子規の話だがさまざまなリーダーが描かれている。トップだけでなく、現場の人、国民の当事者意識が高く、そこに感動した。
明治という国を苦労して作り、その国が荒らされようとしている。何とかしなければいけない。強い気持ちがトップだけではなく国民にもあった。勇気を与えてくれる一冊だ。
ベンチャー経営にも似ている。何もないところから製品を作り、販売し、PRする。資金調達や大企業との提携も不可欠。トップだけでなく、営業や開発など現場の担当者も頑張らなければいけない。「ないない尽くし」の状況をいかに「有」にして大きくするか。各部門のリーダーだけでなく社員が当事者意識を持ってやることが重要だ。
出町譲著『九転十起 事業の鬼・浅野総一郎』や伊丹敬之著『高度成長を引きずり出した男 サラリーマン社長・西山彌太郎の夢と決断』、古森重隆著『魂の経営』なども愛読書だ。時代時代に突出したリーダーがいた。自分事に解釈して生かすことが大事で、すごいリーダーがいたことを次の世代に継承したい。
当社で言えば電気自動車(EV)の普及を加速するという経営目標がある。ベンチャーがインフラ事業を手がけるというのは大変だが実現できればベンチャーのレベルを高めることにもつながる。日本だけでなくインドとタイでも事業を立ち上げている。信念を持って世界で戦っている。
突き抜けるスタートアップが新産業で世界で勝つ、というのが私のテーマだ。大企業をしのぐスタートアップが日本から出てこなければ。そのために頑張りたい。
(2024/8/9 12:00)
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