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(2023/2/6 05:00)
妥協点押さえ最適解導く
(総合1から続く)東京大学大学院の学際情報学府先端表現情報学コースでは、動画解析を学びました。伝統文化の継承をテーマに踊りやスポーツなどのダイナミックな動きを動画から分析・検証しました。キヤノンへ入社を決めたのは、画像処理やソフトウエアの知識を生かせることに加え、一般消費者向けの開発はやりがいを感じられると思ったからです。
入社後は希望通り、映画用カメラのソフトウエア開発担当になり約7年携わりました。ある程度決められた内容の開発に励む日々で、映像制作の現場の人と話す機会はありませんでした。一方、現在担当する病院向けカメラ画像システムの開発は機能をはじめ、一から全てを開発しなければいけません。コロナ禍で病院へヒアリングに行けないこともありましたが、現場へ足を運ぶことも多いです。病院の予算やシステムの入れ替え時期など、一般向けカメラの販売よりも考慮すべきことがたくさんあります。また実際にカメラを使う現場の医師と病院の情報システム担当の間での隔たりもあり、それを踏まえた上での開発が必要です。妥協点を押さえながら、最適解を導くのが大変な時もありましたが、刺激が多く楽しく開発しています。今春の大学病院への導入を目指して取り組んでいます。
イノベーションで“市場をつくれ”というのはその通りです。目の前にある仕事をやるだけでは新しいことは生まれません。ワークライフバランスも充実させて、いろいろなことに触れてアンテナを張るようにしています。
趣味は大学から始めた躰道です。選手として大会に出場するとともに、大学生のコーチも務めています。大学生や異なる業界で働く友人との交流は視野の拡大につながっています。(文=高島里沙、写真=森住貴弘)
◇キヤノン イメージコミュニケーション事業本部ICB開発統括部門 宇野友季子(うの・ゆきこ)さん
(2023/2/6 05:00)