(2024/11/14 05:00)
トヨタ自動車と豊田中央研究所、IDECの3社は、協働ロボットの高速動作と作業者の安全を両立させた世界初の生産工程の提案を始めた。人を高精度に検知する独自開発の人工知能(AI)ビジョンセンサーと、作業者を保護するエバネッセント場(電磁場の変動)センサーを活用するのが特徴。第三者機関の認証を受け、安全性を担保する。作業者が一定エリアまで近づいても協働ロボットは高速動作を保てるため、生産性を飛躍的に向上できる。
トヨタなどは13日に大阪市内で開幕した展示会「未来モノづくり国際EXPO」で、開発したセンサーなどを組み込んだ模擬生産工程を公開した。上部に人だけを認識するAIビジョンセンサーを設置し、エバネッセント場センサーは発信機を人の手首に、検知機を作業台に置く。安川電機の協働ロボットを用い、パトライトのラインライトとブザーも組み付けて構成した。
作業者から危険源までの距離に応じて協働ロボットの作業速度の維持や減速、停止を最適制御で行う。またセンサーを組み込んだ機械側から安全に関する注意や警告などの情報を提供する。
今回の模擬生産工程は2025年度中の現場実装に向け、製品化を進めていく。同時にトヨタやIDECなどが参画するセーフティグローバル推進機構(IGSAP)モノづくり委員会で、同工程を事例にした日本発の「協調安全」の規格化に向けた取り組みも進める。日本産業規格(JIS)化をまず行い、国際標準規格へ向けた提案を順次行う計画だ。
トヨタは人中心の自動化を進め、人と機械が隣接し協調作業できる生産工程を目指している。協働ロボットはそれを実現する最適な設備だが、安全性を明確に担保できない現場の実態があり、動作速度を落としたり、柵で囲ってしまうなど、生産性に課題があった。
(2024/11/14 05:00)
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