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Arm、新時代のインフラストラクチャを支える「Arm Neoverse」と「Project Cassini」の最新情報を公開

(2020/10/14)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:アーム株式会社

Arm、新時代のインフラストラクチャを支える「Arm Neoverse」と「Project Cassini」の最新情報を公開


英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は、米国時間2020年10月6日~8日、オンラインで開催された開発者向けカンファレンス「Arm DevSummit 2020」において、Armのインフラストラクチャ基盤である「Arm Neoverse」と、エコシステムとともにクラウドネイティブなシステム開発の実現を目指す業界イニシアティブ「Project Cassini」の最新アップデートを公開しました。

今から約10年前、データ量の増大に伴いデータの演算に対する需要も急拡大しましたが、こうしたタスクの処理に対応したのがクラウドコンピューティング・モデルでした。しかし、生成・消費されるデータの急速な増加に伴い、大規模なクラウドデータセンターにおける電力コストは、これまで以上に大きな課題となっています。私たちはこの10年間、比較的容易な方法で電力消費の低減に取り組み、仮想化やマルチテナント、オフロード、ディスアグリゲーションなどの手法によって効率化への道を模索してきましたが、依然として電力コストは今後も増大が見込まれています。

Armのインフラストラクチャ基盤であるArm Neoverseのロードマップは、2018年の発表以降、コストの削減、電力効率、演算性能のメリットを実現することで、データセンター・アーキテクトの演算リソースに対する考え方を一変させました。Neoverseに関連する、これまでの主な成果は以下のとおりです。

AWS Graviton2インスタンスは、Arm Neoverse N1プラットフォームを採用することで、従来のインスタンスに比べてコストパフォーマンスが最大40%向上
Arm Neoverse N1プラットフォームを採用した業界初の80コア・サーバープロセッサーであるAmpereのAltraをはじめとする半導体ソリューションは、顧客企業がそれぞれの用途で求めるワットあたりパフォーマンス、柔軟性、拡張性を実現できるように設計。Oracleは、2021年初頭にAmpere AltraベースのサービスをOracle Cloudで提供する計画を発表
世界最速のスーパーコンピュータである日本の「富岳」は、Armテクノロジーを採用。「Green500」年間ランキングでは、富岳は電力効率においても世界トップクラスを達成
MarvellのThunderX3は、Microsoft Azureの開発に使用されたArmベースのThunderX2の後継製品で、最大96個のカスタムArm v8.3コアを搭載


これらは、パートナー企業による実装事例の一例に過ぎません。Armが採用される共通の理由として挙げられるのは、「これまでと同じ電力消費で、より高い演算能力を引き出す」という、極めて重要な設計課題に応えられる革新的な技術だからです。ArmのCEOであるサイモン・シガースが最近、持続可能性をテーマに述べた言葉を言い換えるなら、コンピュータがこれまで世界の脱炭素化に寄与してきたのなら、私たちは次に、コンピューティングそのものの脱炭素化を推し進める必要があります。それは、演算効率の向上、つまりワットあたりの演算能力の向上を意味します。

しかし、イノベーションはそれだけではありません。Neoverseプラットフォームは、パートナー企業のニーズに応えるべく進化を続けています。Vシリーズの第一弾となる新型Neoverse V1プラットフォームは、N1に比べてシングルスレッド性能が50%以上向上しています。Neoverse N2は、Neoverse N1に比べてシングルスレッド性能が40%高くなっていますが、消費電力と面積効率についても、Neoverse N1と同水準を維持しています。

Neoverseプラットフォームは、エジソンの白熱電球とある意味似ています。例えばガス灯のように、同様の機能は過去にも別の形態で存在していました。しかし、より効率性と拡張性に優れた形態により、さまざまな業界を根底から変革するものとなりました。一方、電球革命には「縁の下の力持ち」として、今日の私たちには当たり前の存在であるコンセントの普及という要因があります。コンセントと電球ソケットの規格が統一されたことで、電球市場が繁栄しただけでなく、共通の技術的な基盤が得られたことで、トースターや冷蔵庫など、他の電化製品の巨大な市場が開けたといえます。

Arm Neoverseプラットフォームの価値を拡大するため、ArmではProject Cassini(*1)を通じて、拡張性を推し進める標準化に取り組んでいます。Project Cassiniは、Armのエッジエコシステム全体でクラウドネイティブなソフトウェア体験を実現するための、オープンかつ協調的なイニシアチブです。Project Cassiniは、以下の3つの基本要素で構成されます。
*1) https://www.arm.com/solutions/infrastructure/edge-computing/project-cassini

1. 標準規格:Arm DevSummitで新たに発表した「Arm SystemReady」(*2)プログラムを通じて、ハードウェアの多様性を促進させながら、標準規格に基づいたソフトウェアの開発や利用が可能となります。Arm SystemReadyは、「Arm ServerReady」プログラムをベースとした、基礎的なコンプライアンス認証プログラムです。急速に拡大する多様なハードウェア・エコシステムをまたがって、ソフトウェアをシームレスに動作させることが可能です。
2. セキュリティ:エコシステム全体を通じて、また、さまざまなワークロードを対象に、APIと認証プログラムは開発者が信頼を寄せられるものである必要があります。こうしたプログラムには、デバイスのRoot-of-Trust(信頼の基点)に関して実装の品質を客観的に評価する「PSA-Certified」フレームワークや、特定のプラットフォームやアーキテクチャに依存しない方法で各種アプリケーション向けにRoot-of-Trustのセキュアな抽象化を行い、共通のランタイム・セキュリティサービスを提供する、オープンソースプロジェクトの「PARSEC」などがあります。
3. リファレンス実装:IoTに対する具体的なニーズは業種毎に大きく異なることが多く、ユースケースのアーキテクチャを定義するのは非常に複雑になりがちです。例えば、コンピュータービジョンでの監視システムといっても、エアコンと海底油井では大きく異なります。Project Cassiniは、エコシステムパートナーとの共同開発により、クラウドネイティブなスタックをエッジ側でサポートするリファレンスソリューションを提供します。
*2) https://developer.arm.com/architectures/system-architectures/arm-systemready

Project Cassiniは、半導体メーカーやODM、OEM、ISV、エンドユーザー向けに、エッジコンピューティングのさらなる機会をもたらします。それは、Armのエッジエコシステム全体でクラウドネイティブなソフトウェアの開発を集約化し、それぞれのワークロードに最適化された多様なArmプラットフォームの導入を推進することで実現します。これは、今日のエッジシステムの構築に必要不可欠なヘテロジニアス・コンピューティングを拡張するための、まさに電球ソケット方式ともいえるでしょう。

Arm Neoverseプラットフォームは、世代を重ねるごとにワットあたりの演算能力を向上させており、その絶え間のないIPイノベーションは、パートナー企業における多数の採用という形で実を結んでいます。インフラストラクチャの設計をより簡単に、より標準化し、よりセキュアなものにすべきという考えに基づいたProject Cassiniは、開発者をより柔軟な新時代のエッジコンピューティングの新時代へと導きます。

Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,800億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2020 Arm Group.

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