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(2022/5/20)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:FCNT株式会社
https://www.fcnt.com/news/20220519.html
FCNT株式会社(本社:神奈川県大和市、代表取締役社長 田中典尚、以下FCNT)は、DSR Corporation(本社:米国コロラド州デンバー、CEO Anatoli Pechkov、以下DSR)との共同開発により、FCNTのエッジAIカメラ上で、河川などの水位レベルをコンピューター・ビジョンベースの技術で検出し、氾濫危険水域に近づいた際にアラート通知を行うなど、遠隔から河川やため池、用水路などの現場の状態を効率的に監視し、有事の際の迅速な対応につなげる「水位検知ソリューション」を開発しました。
本ソリューションはDSRとの共同開発で、FCNTのエッジAIカメラ上で動作する、水位レベルを画像処理で検知するAI技術、夜間でも現場の状況が明るく鮮明に見える、河川などの監視に適した画質調整機能、そして水位レベルの変化を時系列でグラフ化して可視化する機能と水位測定時の現場の画像を記録するクラウドを組み合わせた、FCNTのエッジAIソリューションです。
また、太陽光発電のみで駆動できる省電力なシステム設計を実現しました。電源の供給ができない場所でも設置できる利便性に加え、再生可能エネルギーのみで24時間365日、利用可能な地球環境にも優しいサステナブルなソリューションです。
当社は、河川やため池などの氾濫に代表される自然災害の防災・減災の実現と、災害に負けない強靭な社会づくりへの貢献に向けて、2022年度に本ソリューションの商用化を目指しています。
FCNTは、エッジAIを起点にお客様の課題解決およびご要望の実現と社会課題の解決に貢献するソリューションを提供することで、幅広い業界をサポートしていきます。そして、一人ひとりが安心して生き生きと暮らせる未来のために、人・モノ・コトをもっと快適につなぎ、未だかつてない新たな価値を創造していきます。
水位検知ソリューションへの取組の背景と概要
近年の急速な地球温暖化による環境変化に伴い、洪水被害による被害額も2015年の3900億円から2019年では2兆1800億円に拡大(注1)するなど、国土強靭化に向けた対策は喫緊の課題となっています。河川の氾濫被害は1級河川以外の小規模河川やため池、用水路でも発生しており、水位レベルを定点観測するリアルタイムでの監視と、どこからでも安全に状況を把握できる遠隔監視のニーズが高まっています。
大規模な河川では、既に数十~数百台の監視カメラが設置されていますが、全ての監視カメラの映像を常時、目視で確認し、水害の発生可能性を判断するのは非常に労力がかかることに加え、危険個所の見落としの課題が顕在化しています。また、水位計を設置し、水位を監視する手段は、コストがかかり、河川等に対して垂直に機器を設置する必要があるなど、設置場所が限定される課題も存在しています。さらに、現状の河川および水位の監視は、河川監視カメラと水位計、通信デバイスが別々に設置され、運用されています。
これらの課題に対し、FCNTの水位検知ソリューションは、5GやLTEなどの無線通信機能を有したエッジAIカメラにDSRとの共同開発による画像処理AIによる水位検知アルゴリズムを搭載することで、監視カメラ、水位計、通信デバイスの3つの機能を一体化することで、機器および設置工事にかかるコストの低減、設置場所の制限の縮小、監視と管理の効率化を実現します。さらにAIで測定した水位レベルの変化をクラウドで可視化すると共に、水位レベルが一定の閾(しきい)値を超えると自動的にアラートメールを送信することで、迅速な初動の実現を期待できます。
また、再生可能エネルギーのみで駆動できる低消費電力なシステム設計により、既存ソリューション比で最大5分の1程度(注2)まで消費電力を抑えた地球環境にも優しいでサステナブルなソリューションです。
本ソリューションの特長
■低電力駆動が可能なエッジAIカメラ
・5G・ローカル5Gに加え、LTEやWi-Fiにも対応
・可搬性が高く、設置、撤去の自由度に優位
・水位検知AIはじめ、多様なエッジAIで、ビジネスの高度化、効率化を支援
・防水・防塵対応(IP65)と専用の冷却構造を採用し、長時間の安定稼働を実現
・最大4Kの高画質映像ストリーミングに対応
■画像処理による水位検知AI技術とクラウドによる可視化
河川などの水面を検出する画像処理技術と任意の場所に設置可能な仮想の量水板(ルーラー)を設定することで、画像から水位のレベルを推定します。測定時の現場写真と水位の測定結果はクラウドに送信し、画像とグラフで可視化することができます。
水位の測定方法
1.画像上の任意の場所に仮想の量水板(ルーラー)を設定します。
2.画像処理AIにより、河川などの水面を自動的に検知します。
3.仮想の量水板(ルーラー)と水面の交点を水位と定義し、水位のレベルを推定します。
クラウド(データポータル)画面
1.水位を測定した時点の現場の状況を画像で確認することができます。
2.測定した水位の変化をグラフで確認することができます。
水位は設置した仮想の量水板(ルーラー)ごとに表示されます。
■夜間でも明るく、鮮明に監視できる専用の画質調整機能
夜間などの暗い環境でも水位の検知および河川などの現場の状況を遠隔から目視で確認できるよう、水位検知ソリューションに適した夜間画質機能を開発しました。周囲の明るさに応じて自動的に調整値を変動させることで、月灯り程度の照度の夜間でも明るく、鮮明に見えると共に、昼間は白飛びしない(明るすぎない)ように最適なチューニングを施しています。
夜間画質の調整機能
夜間の河川などの監視に適した周囲の明るさに応じて夜間画質パラメータのチューニングを8段階で行います。周囲の明るさを検知し、暗くなると画質調整パラメータ値を大きくして夜間でも明るく見える画質を実現しています。
■再生可能エネルギーのみで稼働可能な省電力設計
スマートフォン開発の中で培った様々な省電力技術を駆使することで、消費電力約1Wh程度の超低消費電力での稼働を実現し、無日照7日間の稼働を小型の太陽光発電のみで動作可能な省電力システムです。
太陽光発電のみで動作可能な省電力システム
FCNTは、再生可能エネルギーを主力電源化することで、省エネルギー化と環境に優しい商品・ソリューションの提供を通じて、持続可能な社会への貢献を推進してまいります。
関連Webサイト
・FCNTのエッジAIソリューション(https://www.fcnt.com/business/solution/casestudy.html#sct-1)
・DSR社のホームページ(https://en.dsr-corporation.com/) ※英語サイト
・DSRアジアのホームページ(https://jp.dsr-corporation.com/#!/)
・Noema社のホームページ(https://www.noema.tech/)
※英語サイト コンピューター・ビジョン技術に特化したDSRの100%子会社
商標について
記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
(注1) 国土交通省水害統計より(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600590)
(注2) FCNT株式会社調べ
※FCNT株式会社は2021年4月1日に富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社から社名を変更しました。 FCNT株式会社ホームページ https://www.fcnt.com/
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