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業界初* 全自動であらゆる素子を損失解析できる電源回路シミュレータ開発

(2022/7/29)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:株式会社スマートエナジー研究所

業界初*  全自動であらゆる素子を損失解析できる電源回路シミュレータ開発

上流設計を変えて、競争力あるモノづくりに貢献

回路シミュレータの開発を行う株式会社スマートエナジー研究所(本社:横浜市)は、全自動で、高速にあらゆる素子の損失を解析できる回路シミュレータを開発しました。 車載電源やスイッチング電源の開発において、小型化、高効率化は最も重要な課題となっています。小型化、高効率化を追求するためには製品設計の上流工程で、十分なシミュレーションを行った上でハードウエアの試作工程に進むことが望ましいのですが、多大な時間と工数を要します。そのため、最低限の損失解析を行い実機合わせで熱対策する手法が一般化しており、手戻りが発生する要因となるため、無難な設計が広く行われ、競争力のある製品が生まれにくいという課題がありました。 今回、当社が開発した製品では、「あらゆる素子を」「高速に」「全自動で」解析するという機能を実現し、設計の上流工程で十分な検討を行える環境を提供することで、モノづくりの手法を変え、電源開発分野における競争力の高い製品開発に貢献します。 本製品は、高速回路シミュレータScideam(サイディーム)のオプション製品「Power Palette」として、2022年7月29日(金)から提供開始します。



     図1:損失解析が変える開発環境

■損失解析の必要性と課題について
車載電源やパワーエレクトロニクス機器をはじめとする電源開発にとって、損失解析を行うことは回路の最適化設計、熱設計、筐体設計のために欠かせない工程です。
しかしながら、実際に損失解析を行うためには、実際の動作条件をシミュレーションし、その結果から波形を手動で分析し、すべての素子に対して一つ一つ損失を求めていくという作業が必要でした。
この方法では、回路に含まれる主要部品を解析するだけでも、数時間から丸一日の時間がかかってしまいます。そのため精度を求める解析を何度も繰り返し行うことは難しく、ウォーターフォール型の開発にならざるを得ません。


上流設計損失解析を行うメリット
損失解析を、開発の上流、要件定義で行うことができれば、回路方式の選定、熱設計、筐体設計について複数のパターンで繰り返し議論することが可能な、フロントローディングな開発環境を実現することが可能です。
製品の要求に最適な方式検討を行うことが可能となるため、商品性の高い、競争力のある製品を、少ない試作回数で実現することができます。

    図2:実機、シミュレーション比較、出力効率特性
図2はLLC共振型DCDCコンバータに対して、行った損失解析結果です。上流で精度の高い出力効率特性グラフが解析できれば、回路方式を検討したり、最適パラメータの検討をしたりということが容易に行えるようになります。

■損失解析「Power Palette」の概要
Scideamの損失解析機能「Power Palette」は、ワンクリックで回路に含まれる全ての素子に対して、網羅的に損失解析を行い、一覧表示します。
一回にかかる解析時間は、多くの場合数秒~10秒程度です。(時間は回路に依存します)
これにより、損失解析にかかる時間を劇的に削減し、上流設計においても十分様々な回路、動作点に対して解析を行うことが可能です。


    図3:シミュレータ画面イメージ

■特徴1. 全自動解析
損失解析で行う以下の工程のすべてを一度に行い結果を表示します。

全ての素子および素子の構成要素に対しての損失解析
スイッチング損失の自動計測、内訳解析
「業界初*」解析した損失の一覧表示
「業界初*」損失解析区間の自動判定

これまで、手動で行っていた解析を高速に解析し、一覧表示し見える化します。
ユーザーは、回路のボトルネックを瞬時に判断することが可能です。

■特徴2. 「業界初*スイッチング損自動計測、内訳解析
回路の損失の大部分を占めるスイッチング損の解析は、小型化、高効率化にとって非常に重要な解析要素です。
しかしながら、非常に解析に時間と手間がかかる部分でもありました。
Scideamでは、スイッチング損の内訳を自動的に計算し、解析するアルゴリズムが搭載されています。
これにより、すべてのスイッチの損失は、内訳が分解された状態で一覧表示され、ユーザーは設計が意図通りになっているか、部品選定が適切かを判断することが可能です。

■特徴3. 「業界初*全損失リストアップ
内訳を分解するのは、スイッチング損だけではなく、素子の構成要素すべてに対して、網羅的に損失解析を行います。
一般的に、シミュレータが持つ素子モデルは、複雑な内部構造を持っており、その素子モデルを外から損失解析するため損失増加の原因が特定しづらく最適化が困難です。
Scideamでは、この内部構造も含めすべての構成要素に対して個別に損失を求めることができるため、ユーザーは、回路のボトルネックを瞬時に把握することが可能であり、回路にあった素子を選定することが可能です。
      
*)市販されている電源パワエレ向けシミュレータ(2022年7月 自社調べ)

Power Palette 詳細はこちら
https://www.smartenergy.co.jp/products_books/powerpalette.html

電源セミナー テスラ車載充電器 解析デモ付き 開催告知
上流設計の段階でシステムの損失を早く解析することができれば、手戻りを大幅に減らすことが可能です。
本セミナーでは、回路全体の損失解析を行うシミュレータの技術的な機能の解説を行い、実際に、テスラ車載充電器に対する損失解析結果や、デモをお見せしながら、電源シミュレータの活用による開発期間の短縮と効率的な回路設計の実例をご紹介します。
セミナー日時: 8月25日(木曜)13:30~15:00

損失解析セミナー詳細はこちら
https://www.smartenergy.co.jp/event/2022/lossanalysis_seminar.html

■Scideamについて


電源パワエレ向け高速回路シミュレータ「Scideam」は25年以上の歴史のある演算アルゴリズムと、新たに設計された快適なUIをもつ国産の高速回路シミュレータです。

Scideamの強み
Scideamは解析精度とシミュレーション速度の両方の問題を解決するべく、独自の可変ステップソルバを使用した高速回路シミュレータです。独自アルゴリズムにより、ユーザーの作る回路モデルに合わせ、収束性が高く、高速なシミュレーション環境を提供します。
また、波形ビューアーは、PCのハードウエアアクセラレーションにより、大量のデータを一度に扱うことができ、高速に快適に解析を行うことができます。

Scideamの適用分野
適用分野は、パワーエレクトロニクス、スイッチング電源分野で、以下の開発に主に利用されています。

自動車、電気自動車、航空宇宙
再生可能エネルギー、蓄電システム、急速充電器
家事民生や標準電源 など

 Scideam Webサイト
https://www.smartenergy.co.jp/products_books/scideam.html


基本情報
企業名:株式会社スマートエナジー研究所
設立 :2009年9月28日
代表者:代表取締役社長 中村 創一郎
所在地:横浜市港北区新横浜 2-12-1 新横浜光伸ビル5F
概要: 2009年創業の電源設計、回路シミュレーション、コンサルティングを行う企業です。 歴史と新しさを併せ持つ高速回路シミュレータと、創業以来培ってきたモデルベース開発のノウハウで、複雑なデジタル制御電源の設計開発コンサルティングを行い、主要メーカーへのツール採用、コンサルティング実績、大学研究機関との共同研究に加え、デジタル制御電源向けのモデルベース開発についての情報発信、ツールの開発を積極的に行っています。
URL:https://www.smartenergy.co.jp/

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※ ニュースリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承下さい。

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