5G/Sub6帯で特定周波数の電波を反射・吸収・透過可能な電波制御シートを新開発 東京都市大・青山学院大と産学連携。軽量で厚さ1mm以下・低コストで設置容易

～ 2024年1月31日～2月2日・東京ビッグサイト「第23回 国際ナノテクノロジー総合展」出展 ～

　「こころ くらし 包む」をモットーに、さまざまな製品を通じて毎日のくらしに彩りと楽しさを提供する紙製品・化成品メーカーの株式会社マルアイ（本社：山梨県市川三郷町、代表取締役社長：村松道哉、以下「当社」）は、この度、第5世代移動通信システム（以下「5G」）で利用されているミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波を反射・吸収・透過できる電波制御シート『周波数選択性電波反射シート』『周波数選択型電波吸収シート』『超狭帯域型電波吸収シート』を開発しました。 　なお、本開発品は、2024年1月31日（水）から2月2日（金）まで東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の当社ブース（ブース番号： 5T-13）にて展示します。


■開発品の特徴
　本開発品は5Gのミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波のみを選択的に反射・吸収・透過できる電波制御シートです。いずれも軽量薄型のためオフィスや工場の天井などにも容易に設置可能で、5G関連機器やIoT機器の安定した通信環境の実現や電波漏洩の低減に貢献します。また、ミリ波関連機器の設計の自由度を妨げることなく誤作動や電波障害を解決でき、快適な高速無線通信環境の構築に寄与します。

１.『周波数選択性電波反射シート』
　『周波数選択性電波反射シート』は、5Gのミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波のみを選択的に反射又は透過できるシートです。厚み1mm以下の軽量薄型でありながら、高度な周波数選択性能と電波反射性能を有します。対応周波数は、使用用途に合わせて印刷パターンを変えることで、任意に調整できます（適応範囲目安：1GHz～30GHz、※1）。また、製造にはグラビア印刷技術等を活用することにより、将来的に低コストで広い面積をカバーする大判のシートの供給が可能です。
　なお、『周波数選択性電波反射シート』は東京都市大学との産学連携により開発しました。



２.『周波数選択型電波吸収シート』
　『周波数選択型電波吸収シート』は、5Gのミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収できるシートです。20dB（99％）以上の高い電波吸収性能を有します。抵抗膜、誘電体層、反射膜からなる3層構造で、抵抗膜には当社が独自開発したCNT（カーボンナノチューブ）を高分散させた高導電性インキを印刷しています。金属酸化物を含有した従来品とは異なる製造方法や構造にすることで、大幅な軽量薄型化を実現しました。対応周波数はシートの厚みを変えることにより、任意に調整できます（適応範囲目安：3GHz～50GHz、※1）。
　なお、『周波数選択型電波吸収シート』は青山学院大学との産学連携により開発しました。



３.『超狭帯域型電波吸収シート』
　『超狭帯域型電波吸収シート』は、5Gのミリ波帯とSub6帯において、特定の周波数の電波のみを選択的に、超狭帯域で吸収できるシートです。厚み1mm以下の軽量薄型でありながら高度な周波数選択性能と20dB（99%）以上の高い電波吸収性能を有します。対応周波数は、使用用途に合わせてパッチ設計やシートの厚みを変えることで、任意に調整できます（適応範囲目安：2GHz～50GHz、※1）。また、製造にはグラビア印刷技術等を活用することにより、将来的に低コストで広い面積をカバーする大判のシートの供給が可能です。
　なお、『超狭帯域型電波吸収シート』は青山学院大学との産学連携により開発しました。



※1：対応周波数は、対象物・仕様等により範囲が限定あるいは拡張される場合があります。

■開発の背景
　近年、超高速・超低遅延・多数同時接続が可能な5G/6Gに対応した通信機器やWi-FiやBluetoothを用いたスマート家電、ローカル5Gを導入したスマート工場、ミリ波レーダーを活用した自動運転など、様々な無線通信技術を用いた製品やサービスが普及し暮らしを便利にしています。その一方で、これらの複数の電波が互いに干渉することで、通信速度の低下や周辺機器の誤作動の発生や、通信エリアからの電波漏洩により盗聴や不正アクセスの被害などセキュリティ上のリスクも懸念されています。これらの問題を防ぐためには、特定の周波数の電波を選択的に反射・吸収・透過する電波制御シートを製品や機器に設置する必要があります。
　通信業界では安心安全で快適な通信環境を実現するために、電波制御シートの開発が進んでいますが、現在普及している電波制御シートは、金属板や金属酸化物を多量に含有した樹脂などが用いられているため非常に高重量です。また、数mm以上の厚みがあり容易に加工できず設置箇所が限られていました。そのため、5G関連機器や自動車レーダー機器の周辺に設置する場合は、機械設計が大きく制限されることが課題となっていました。また、製品価格や設置費用が高く手軽に使用できないことも難点でした。
　そこで、この度当社は、独自開発した導電インキと長年培った高度な印刷技術を活用し、新たな電波制御シート『周波数選択性電波反射シート』『周波数選択型電波吸収シート』『超狭帯域型電波吸収シート』を開発しました。本開発品は低コストかつ従来品と比べて軽量薄型で高いフレキシブル性を有しているため、様々な場所に容易に設置できます。

■今後の展望
　本開発品の製品化は2025年頃を目標にしています。今後はスマートフォンや家電、高速道路などのインフラ、オフィスビルや工場などの建物への活用も視野に入れながら具体的な用途展開を行なっていきます。また、様々な環境での実証実験および顧客へのヒアリング等を行い実用性や機能性を高めていきます。

■展示会出展情報
　当社は、2024年1月31日（水）から2月2日（金）まで東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」に出展します。当社ブース（ブース番号：5T-13）では、今回開発した『周波数選択性電波反射シート』『周波数選択型電波吸収シート』『超狭帯域型電波吸収シート』を展示します。

展示会名：nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議
会期：2024年1月31日（水）～2月2日（金）10:00～17:00
会場：東京ビッグサイト東ホール
ブース番号： 5T-13（株式会社マルアイ）

マルアイについて
1888（明治21）年創業。山梨県市川大門に本社を構え、祝儀袋や事務用封筒などの日用紙製品と、食品や精密機器を保護するための産業用包材を製造・販売しています。中でも祝儀袋・不祝儀袋は合わせて約500種類以上を展開し、業界で高いシェアを占めています。「こころ くらし 包む」をモットーに、みなさまの暮らしを豊かにする製品を提供しています。



社名：株式会社マルアイ
代表：村松道哉
本社所在地：山梨県西八代郡市川三郷町市川大門2603番地
設立：昭和22年5月30日
HP：https://maruai.co.jp



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情報提供元：PRTIMES
本リリースの掲載元：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000051757.html