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(2018/5/15)
カテゴリ:その他
リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会
ユニセフ事務局長声明
【2018年5月15日 ジュネーブ/ニューヨーク 発】
世界各地の紛争地で子どもに対する攻撃が続いていることについて、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは、以下の声明を発表しました。
* * *
中央アフリカ共和国から南スーダン、またシリアからアフガニスタンに至る紛争地において、今年1月から4月の間、子どもへの攻撃は衰えることなく続いています。
紛争当事者は、悔いることもなく、説明責任を果たすこともなく、子どもを保護するという戦時の最も基本的な法をあからさまに無視し続けています。
どんなに子どもたちの命が危険であっても、いかなる戦闘行為も制限されることがありませんでした。学校や病院などの民間施設に対する無差別攻撃、拉致、子どもの徴用・徴兵、包囲、拘留所での虐待、および人道支援の拒否は、すべて当たり前のように行われてきました。
例えばイエメンでは今年に入って、紛争が原因で死亡したとされる子どもが220人以上にのぼり、330人以上が負傷しました。飢餓の危機に直面する子どもの数は430万人近くにのぼり、2017年と比較して24%増加しています。昨年5歳未満児400人以上の命を奪った急性水様性下痢症とコレラの集団発生が、今年も雨季に入り衛生環境がさらに悪化することで、さらに多くの幼い命の脅威となっています。
シリアでは、平和の訪れは期待できないままです。今年1月から3月の間に、70件以上の病院や保健施設に対する攻撃が確認され、子どもたちや家族から命に関わる保健サービスを奪いました。紛争開始から、300棟以上の教育施設が攻撃を受けました。約530万人の子どもが、国内避難民あるいは難民となり、85万人近くが包囲されたあるいは支援を届けることが困難な地域に暮らしています。
ガザでは3月初旬から、抗議デモに参加する子どもたちが死傷しています。5月14日(月)は、さらに多くの子どもたちが犠牲になり、2014年のガザ戦争以降、最も多くの死者をだした暴力の日と言われています。
バングラデシュでは、ミャンマーでの悲惨な出来事を生き延びた40万人以上のロヒンギャ難民の子どもたちが、人道支援を必要としています。モンスーンの季節が近づく中、コレラなどの水に起因する病気に罹る危険がかつてないほど高まっています。
南スーダンは、私がユニセフ事務局長に就任して最初に訪問した国ですが、少なくとも260万人の子どもがふるさとから逃れることを余儀なくされました。100万人以上の子どもが急性栄養不良に陥り、25万人が深刻な状態で死の危険に直面しています。今年に入り、600人近くの子どもが武装グループから解放されましたが、いまだに約1万9,000人が紛争当事者により、戦闘員、連絡係、運搬係、調理人あるいは性的奴隷として利用されています。
アフガニスタンでは、今年1月から3月の間に、紛争の影響で150人以上の子どもが死亡し、400人以上が負傷したと報告されています。
中央アフリカ共和国では、過去数カ月の暴力の再燃により、2万9,000人近くの子どもがふるさとを後にすることを余儀なくされ、子どもの国内避難民の総数は36万人近くになりました。5歳未満児の5人に2人以上は慢性的な栄養不良に苦しみ、学齢期の子どもの3分の1は学校に通っていません。
これらの国々、そしてさらに多くの国々で、ユニセフはパートナー団体と協力して、最も弱い立場にある人々、家族と離ればなれになり、ひとりで怯えている人々、過密した難民キャンプで病気に罹る人々、モンスーンの時期や厳しい乾季に移動しなければならない人々、そして飢えに苦しむ人々の、苦しみを和らげるためにできる限りのことをしています。
私たちは今年の支援活動に必要としている資金のうち16%しか獲得できておらず資金不足に陥っていますが、それでも、私たちの最も弱い立場にある人々に尽くすと言う固い決意は変わりません。私たちは、子どもたちに予防接種を実施し、栄養不良の治療をし、学校に通えるようにし、保護サービスを提供し、そして彼らの基本的ニーズに応えようとしています。
人道支援だけでは十分ではありません。子どもたちはいかなる時も平和と保護を必要としています。戦争においても、違法な民間人への攻撃、学校や病院への攻撃、子どもの徴用・徴兵や違法な拘留、ならびに人道支援の拒否は禁じられています。紛争時にはこうした法は尊重されなければならず、違反したものは責任を問われなければなりません。もう十分です。子どもたちに対する攻撃を止めてください。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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