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(2018/6/6)
カテゴリ:その他
リリース発行企業:大和ハウス工業株式会社
大和ハウスグループの株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区 社長:奥村洋治)は株式会社安藤・間(本社:東京都港区 社長:福富正人)、株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区 社長:櫻野泰則)、佐藤工業株式会社(本社:東京都中央区 社長:宮本雅文)、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区 社長:今井雅則)、西松建設株式会社(本社:東京都港区 社長:高瀬伸利)、前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区 社長:前田操治)の6社と共同で、コンクリートの乾燥収縮ひずみを0~800×10-6(※1)の範囲で制御できる技術を、すでに確立しています。
この技術に基づき製作したコンクリートを『フィットクリート』として、商標登録を出願しました。フィットクリートを用いて製作した実大試験体の2年間の暴露試験を通して、乾燥収縮ひずみ低減対策に応じたひび割れ抑制効果を確認し、実物件への適用を開始しました。
実大実験における2年間のひび割れ抑制効果は、乾燥収縮ひずみ抑制の程度に応じてひび割れが少なくなり、収縮ゼロクラスの『フィットクリート』を用いた試験体では、外観上のひび割れ発生はありませんでした。
これまでに、『フィットクリート』の収縮ゼロクラスを2物件、乾燥収縮ひずみを250×10-6程度に制御した低収縮クラスを2物件、乾燥収縮ひずみを400×10-6程度に制御した高耐久クラスを多数の物件で適用しており、現時点でも多くの物件への適用が検討されています。今後もコンクリートの高品質化をめざして、さらなる適用拡大を推進していきます。
1.実大試験体によるひび割れ抑制効果の検証結果
2015年に共同7社は、様々な産地の石灰石粗骨材、収縮低減剤および膨張材を用いてコンクリートの乾燥収縮ひずみを0~800×10-6の範囲で制御する方法を確立・提案しました。この乾燥収縮ひずみを制御したコンクリートのひび割れ抑制効果の検証を目的として、実大の壁・デッキスラブ試験体を製作し、屋外での暴露試験を行い、2年が経過しました。
壁試験体では、1平方メートルあたりに発生したひび割れ長さで比較した場合、無対策のコンクリートに対し、乾燥収縮ひずみを400×10-6に制御した高耐久クラスでは約77%のひび割れ低減効果が認められました。また、収縮ゼロクラスでは外観上ひび割れは発生しませんでした。
デッキスラブ試験体では、無対策のコンクリートのものを除き、高耐久クラス、低収縮クラスのいずれの試験体においてもひび割れは発生しませんでした。
実大試験体によりコンクリート乾燥収縮ひずみ制御方法を用いて製作したコンクリートのひび割れ抑制効果が実証されたことから、このコンクリートの名称を『フィットクリート』(商標登録を出願中)として、さらなる普及展開をしていく予定です。
※1:長さの変化率(例)800×10-6 = 長さ1mのコンクリートが0.8mm縮む。μ(読み:マイクロ)と表記する場合もあります。
2.『フィットクリート』の実物件への適用
2015年にコンクリートの乾燥収縮ひずみ制御方法の確立後、『フィットクリート』を様々な物件に提案・検討してきました。その結果、『フィットクリート』の収縮ゼロクラスを2物件(研究施設と教育施設の化粧打放し壁)、低収縮クラスを2物件(事務所ビルの外壁、物流施設の床スラブ)、高耐久クラスについては多数の物件に適用し、それぞれの物件でひび割れ抑制効果を発揮しています。また現在1物件で、収縮ゼロクラスの採用を検討中です。
3.今後の展開
今後は、ひび割れのない美観を要求されるコンクリート打放し仕上げの躯体や、倉庫・工場等の床、高い遮蔽性が要求される構造物などに対して、要求性能に応じて最適な性能のコンクリートを提供できるように、『フィットクリート』を積極的に提案していきます。
また、実大試験体で得られたデータを基に、最適な乾燥収縮ひずみ制御のための設計手法を検討していくとともに、その品質の検証方法についても確立・提案していきたいと考えています。
【ご参考】
<乾燥収縮ひずみ制御技術の概要>
開発した制御方法における乾燥収縮ひずみの定義(目標値)を以下に示します。
・高耐久クラス=目標収縮ひずみ 400×10-6程度
・低収縮クラス=目標収縮ひずみ 250×10-6程度
・収縮ゼロクラス=目標収縮ひずみ0~100×10-6
その効果を検証するため、2015年10月に、収縮ゼロから普通コンクリートまで5種類の調合を用い、壁およびデッキスラブの実大試験体を製作し、長期計測を開始しました。
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