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(2018/12/12)
カテゴリ:経営情報
リリース発行企業:タイガー魔法瓶株式会社
創業95年の歴史において、初の宇宙関連分野での取り組み
タイガー魔法瓶株式会社(社長:菊池嘉聡、本社:大阪府門真市)は、国際宇宙ステーション(ISS)から地上に物資を回収する、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)開発の小型回収カプセルにおいて、たんぱく質の結晶などの貴重な宇宙実験サンプルを保冷状態で格納する真空二重断熱容器をJAXAと共同開発しました。
宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機から分離した小型回収カプセルは、2018年11月11日に地球に帰還しました。JAXAがカプセル内の真空二重断熱容器内部の温度データを解析したところ、ISSで保冷剤と共に格納された試料を5日と15時間にわたってほぼセ氏4度に保っていたことが分かりました。
創業95年の歴史の中で宇宙分野での取り組みは当社として初の試みでしたが、身近な魔法瓶技術で民間企業として少しでも宇宙技術発展に貢献すべく、JAXAと共に挑戦を続けてまいりました。
今回の経験を活かして、今後も魔法瓶技術の向上のため努力してまいります。
断熱容器の開発経緯について
2014年4月のJAXAからの問い合わせが本容器開発のきっかけとなりました。2015年11月にはJAXAより正式な依頼があり、「4度±2度の範囲で4日間以上の断熱性能、かつカプセル内に入った状態で、最大40Gという着水時の衝撃に耐える強度」を持った断熱容器の開発という、通常の魔法瓶では考えられない極めて高度な要求に技術チームは当初困難と考えておりました。しかし「我々がやらなければこの計画自体がなくなってしまう」との思いから当社として本容器の開発に携わることを決意しました。
JAXAとの共同開発が始まってからは、議論と解析を経て温度実験用の容器試作や性能検証を繰り返し、2016年8月には容器の断熱性能と保冷剤により「4度±2度の範囲で5日間の保冷性能」を持った試作品製作に成功。同年11月より実際にJAXAに納品するフライト品の開発に着手し、保冷性能と強度を維持しながら軽量化を実現するために加工や溶接の方法に工夫を重ね、翌2017年5月にJAXAへフライト品を納品いたしました。
容器の概要
高さ約30cmの真空二重構造のステンレスの外容器
と内容器からなり、保冷性能を向上させるため、
内容器の口部からの入熱量を削減するように内容器に外容器を重ねあわせる構造を採用しました。
※タイガー魔法瓶とJAXAで特許出願済
また、着水時の衝撃に耐えるためにステンレスの厚みを通常のステンレスボトルの約4倍にしました。
開発者のコメント
まずはJAXA始め本プロジェクトに携われた皆様、宇宙実験サンプル回収の成功おめでとうございます。4年半前の思いがけないきっかけによって、このような歴史的快挙に関われたことを本当に嬉しく思います。
魔法瓶に限らず、製品の開発というのは、企画・設計・試作・改良という地味な作業の繰り返しです。その中で「壮大な実験のほんの一部分を担っただけなのに、多くのメディア様からの取材を受けて良いものだろうか。」という戸惑いもありましたが、身近な魔法瓶を通じて日本の宇宙技術開発者の方々が成し遂げた偉業の一翼を担うことができていたなら光栄です。併せて今回の容器開発にご協力いただいた企業の方々にも深くお礼申し上げます。
ものづくりに携わる者としては、JAXAを始めとする素晴らしい技術者の方々と仕事が出来たことは本当に良い経験となりました。我々が開発した真空断熱容器に対しては、「おかえり、よく頑張ったね」と声をかけてあげたい気持ちです。
<本取り組みに関する詳細は以下のURLよりご覧いただけます。>
タイガー魔法瓶公式サイト 産業機器事例紹介
https://www.tiger.jp/b2b/oem_aerospace01.html
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