[ オピニオン ]
(2015/11/27 05:00)
会社の顔である『企業ブランド』の重要性が増している。日本では「社名と並べた横文字の宣伝文句」程度の理解が少なくない。実は短いメッセージの中に今後の進むべき方向性や自社の存在価値を入れ込み、社内外に浸透を図るのが企業ブランドの妙味。欧米では「ブランド価値経営」を掲げる企業が多く、事業が国際化するほど全社メッセージである企業ブランドが重要になる。日本企業も例外ではいられない。
ブランドコンサルティングの米インターブランドがまとめた2015年の世界ブランド企業ランキングによると、3年連続で米アップルが1位、米グーグルが2位を堅持した。この調査は企業のブランド価値を金額換算して順位付けたもの。3位は米コカ・コーラ、4位は米マイクロソフト、5位は米IBM。100位までのほぼ半分を米国企業が占めた。
日本企業はトヨタの6位を筆頭に6社が食い込んだが、米国勢との差は歴然だ。この差について、インターブランドジャパン(東京都千代田)の幹部は「企業ブランドは経営の中心軸だ。欧米の企業はブランド価値経営をしないと、グローバルで戦えないことを知っている」と指摘する。
企業ブランドは単なる掛け声ではない。環境ビジネスに力を注ぐ米ゼネラル・エレクトリックは「エコマジネーション」を掲げ、該当する製品や事業がどのくらいあるかを定量的に管理している。独シーメンスはブランド戦略に軸を合わせて「グリーンシティー指数」を策定し、主要都市の”環境性能“を評価する。
またIBMは10月に企業ブランドを刷新。モノのインターネット(IoT)活用による新時代を見据え、従来の「スマータープラネット」から「コグニティブ(認知)ビジネス」へ変更した。いずれの例もブランドメッセージを通じて、今後の方向性や社会課題を解決する軸を提示している。
企業ブランドを世界的に浸透させるには英語が標準となる。日本企業にとっては言葉のハンディが大きいが、まずはブランドを経営の軸とする意思決定が重要だ。
(2015/11/27 05:00)
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