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(2016/1/13 05:00)
「機電再融合の流れに注目」―。日本機械工業連合会の賀詞交歓会で、会長の岡村正さんが強調した。メカトロニクスという言葉が産業界に定着して久しいが、新たな製造業革命といわれる変革期を迎えて工場自動化とも関係深い機電融合が再び脚光を浴びる▼ご承知のようにメカニクス(機械工学)とエレクトロニクス(電子工学)を合わせた造語がメカトロニクス。安川電機によると1960年代後半に同社が提唱して72年に商標登録。広く使われるようになったため現在は権利を放棄している▼日刊工業新聞ではなじみだが、実は登場の頻度は低下している。年ごとの掲載記事を検索すると、メカトロニクスをキーワードにしたヒット件数は2005年に比べて15年はほぼ半分。ことしは機電再融合のかけ声で底を打つだろうか▼ドイツが提唱するインダストリー4・0などの新たな産業革命は、モノづくり現場だけでなく取引関係も変える。機電再融合時代はモノのインターネット(IoT)など情報通信技術との関係が深まる▼いっそICTをつぎ足して「メカトロイクト」という造語はどうだろう。いや、メカトロニクスという言葉の響きのよさ比べれば、人口に膾炙(かいしゃ)するにはぎこちない。
(2016/1/13 05:00)