[ その他 ]
(2016/2/1 05:00)
昨年末に決まった2016年度の税制改正大綱の最後に、ちょっと興味を引く項目がある。「国税クレジットカード納付の創設」。源泉徴収のサラリーマンには無縁だが、自営業者や確定申告による納税者には朗報だろう▼クレジット納税は一部自治体が地方税で先行実施している。ネット上で完結するから、24時間対応のコンビニ納税より、さらに便利になる。国税導入は17年1月の予定。実現すれば一気に利用が広がるに違いない▼忘れてならないのは銀行口座を使う従来の振替納税と違い、カードのポイントがつくこと。「〇円以上カード利用」などのボーナスポイントにも反映する。そう聞けば庶民の納税意欲も少しは上向く▼ところが“敵もさるもの”である。国がカード会社に支払う手数料は1件あたり数円程度。それ以上は税に上乗せして徴収され、ポイント還元と相殺される。地方税では住民サービスとして自治体が手数料を負担しているケースもあるが、国税方式が一般化すれば改悪されるかも▼クレジット納税では滞納者への督促はカード会社の仕事。つまり国の事務作業は減る。企業なら、この合理化効果で手数料をまかなおうとするはず。国税庁も民間の努力を学んでほしい。
(2016/2/1 05:00)