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(2016/4/21 05:00)
熊本地震の影響で生産を停止した自動車や半導体の工場の生産再開状況が明らかになってきた。トヨタ自動車は国内車両組立工場を25―28日にかけて段階的に再開する。ルネサスエレクトロニクスは22日から熊本市の生産子会社で再開を予定している。全面的な再開ではないが復旧は少しずつ進む。
地震で被災して生産停止したアイシン精機子会社のアイシン九州(熊本市南区)は、トヨタなどへの部品供給責任を果たすため、国内外で代替生産を始めた。
生産停止の大きな原因はドアの開閉を制御する部品「ドアチェック」。アイシン九州は月間90万本生産する。トヨタの場合、停止した全26ラインにアイシン九州製ドアチェックが使われていた。
アイシン精機はドアチェックをメキシコ工場から輸入し始めた。九州内の他社工場にも代替生産を要請。愛知県内の自社工場でも生産を検討し、グループのシロキ工業にも代替生産を依頼した。
アイシンからの部品供給に一部めどがたったことから、トヨタは元町工場(愛知県豊田市)を除くトヨタ本体の愛知県内3工場や、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)などグループの工場を25―28日に稼働再開する。
ただ完全には部品の供給体制が戻らず、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)など一部工場は停止を継続する。ダイハツ工業や三菱自動車も生産再開の延期を決めた。
ルネサス子会社のルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング川尻工場(熊本市南区)も22日に生産再開予定。ただ一部装置が破損しており、今後、正常稼働開始の時期を慎重に検討する。一方、同社の製造委託先の一部企業において被害が拡大。このためルネサスの別の工場で生産したり、別の委託先を探したりする検討を始めた。
(2016/4/21 05:00)