[ トピックス ]
(2016/4/21 05:00)
【熊本】14日夜に発生した熊本地震から1週間―。終わる気配をみせない余震の中、震災からの復旧が熊本県で続いている。各社が復旧に全力を挙げる中、中小企業間では、業界や企業をまたいだ連携が生まれつつある。
ロボットによる生産設備の設計、組み立てを手がけるテラシステム(熊本県大津町)は、工場のクレーンなどに被害があった。18日から出荷直前の製品をつきあいがある企業や納入先に運び、組み立てている。
運び先のひとつは福岡県大牟田市の電子部品メーカーの倉庫。別の製品は取引先の大手電機メーカーや自動車メーカーに半製品で納め、社員が現地に行って仕上げている。国分清専務は「余震が続いている。取引先の不安を拭い去る必要がある。安全な環境で納期を守る」と強調する。
熊本県溶接協会は4月16、17、23日に熊本市内で予定していた溶接技能者評価試験を、23日の開催に延期した。対象は6月に溶接技能者の有効期限が切れる約35人。会長を務める博陽工業(熊本市北区)の角毅四郎社長は「4月中に試験が受けられずに無資格になるのを防ぐ」と延期を決めた。
被災地内で相互に助け合う動きも活発になってきた。熊本県工業連合会の生産連携グループ(Gamadas)は会員企業を対象に、物資援助の協力を近く始める予定だ。
(2016/4/21 05:00)