[ 金融・商況 ]
(2016/6/11 05:00)
東京証券取引所は10日、無料対話アプリを提供する「LINE(ライン)」の新規株式上場を承認した。上場予定日は7月15日。市場区分は東証1部になる公算が大きい。ニューヨーク証券取引所でも7月14日(現地時間)に上場予定。想定発行価格は2800円で、時価総額は6000億円を超える見込み。日米で今年最大規模のIPO(新規株式公開)となる。
ジョイントグローバルコーディネーターは野村証券、米モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券。仮条件は6月24日に決定し、発行価格は7月11日に決定する。
LINEは上場について、「海外展開の強化など事業成長のため」と説明した上で、「海外展開については主要国として現在展開している台湾、タイ、インドネシアで強固な地位を確立した後、その他のエリアに拡大する。ニューヨーク証券取引所への上場については、世界で認められるサービスとしてブランド価値の向上を図るためだ」とコメントしている。
LINEは2014年にも上場を予定していたが、社内体制の問題などを理由に見送った。今回はそれらの問題をクリア。調達資金は、短期借入金や社債の返済に充てるほか、海外展開や新規事業に向けた成長投資、M&A(合併・買収)に投入する考え。
16年のIPO市場は年初から好況で、特にIT、スマートフォン関連銘柄は初値が公募価格を大きく上回るケースが目立つ。アクティブユーザー2億2000万人と言われるLINEの新規公開株も投資家の人気が集中するだろう。昨年秋の日本郵政グループ3社以来となる大型上場は、停滞が続く東京株式市場を活性化させそうだ。
(2016/6/11 05:00)