[ 金融・商況 ]
(2016/6/13 05:00)
(ブルームバーグ)英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた場合、欧州株は短期間に時価総額のほぼ4分の1を失う恐れがある。離脱の影響を試算したある調査が示した。
リスクモデリング会社のアクシオマは債券54%、株式41%、残りをオルタナティブ投資で構成する仮想ポートフォリオに基づき、英国の「離脱」票が過半数に達した場合の影響をシミュレーションした。それによると、株式が最も打撃を受けた。またポンド建て投資は10%下落し、ユーロ建てよりも下落率が大きかったという。
23日の国民投票が迫る中でポンドの変動幅は2009年以来の大きさとなっているものの、株式は比較的落ち着きを保っている。英国株はポンド安と鉱業株の反発で欧州主要株式指数のうち年初来の上昇率が上位に入る。だがアクシオマは、最も大きなリスクにさらされていると指摘した。
リポートを執筆した調査員の1人であるフィリップ・ジェイコブ氏はニューヨークから電話インタビューに応じ、「これは離脱が起きないという前提に立っている。心理的に完全に離脱の用意ができている投資家は誰1人としていない」と説明。実際に離脱となった場合、「株式相場は極めて大きく動くだろう」と続けた。
離脱の影響をシミュレーションするに当たり、アクシオマは欧州債務危機やスコットランド独立住民投票といった過去のイベントに対する市場の反応を分析した。市場で生じ得る反応の理由や過程は明らかにしていない。分析対象は市場への短期的な影響だけで、長期的に離脱が英経済に及ぼす構造的な変化は考慮していない。
原題: Europe Stocks Could Plunge 24% in Brexit, Stress Study Shows (1)(抜粋)
(2016/6/13 05:00)