[ 政治・経済 ]
(2016/6/21 05:00)
(ブルームバーグ)英国の欧州連合(EU)残留・離脱を問う国民投票を23日に控え、双方の支持率は拮抗(きっこう)し、予断を許さない状況が続いている。二つの最新世論調査は相反する結果を示した。資産家で著名投資家のジョージ・ソロス氏は国民投票でEU離脱が決まれば、通貨ポンドは対ドルで急落すると警告した。
英紙タイムズの委託でユーガブが1652人の有権者を対象に実施し、20日に公表した世論調査結果では、EU離脱を支持するとの回答が44%、残留が42%だった。一方、英紙デーリー・テレグラフ向けにORBが実施した調査は残留が53%、離脱は46%。
20日の外国為替市場でポンドはドルに対して2008年以来の大幅上昇。国民投票の形勢が残留派側に傾いているとの見方が投資家の間に広がった。しかしソロス氏は英国のEU離脱は実際に起こり得るリスクであり、その場合ポンドは対ドルで20%余り下落する可能性があると警告した。同氏は1992年のポンド下落を見込んだ取引で10億ドル(現在のレートで約1040億円)の利益を得た。
ソロス氏は英紙ガーディアン紙に寄稿し、「現在の市場価格が示唆する見通しを考慮すれば、EU離脱が決まった場合、ポンドの対ドル相場は少なくとも15%、場合によっては20%余り下落するという想定は妥当だ」と分析。「私は有権者が投票後ではなく、投票前にEU離脱の結果どうなるかを知ってもらいたい」と訴えた。
原題: Brexit Vote in the Balance as Polls Differ Over Which Side Leads(抜粋)
(2016/6/21 05:00)