深層断面／第３次ＡＩブーム到来、ソニーＣＳＬ・北野社長「戦っている場所が前回とは根本的に異なる。今回は数学の戦いだ」

人工知能（ＡＩ）が第４次産業革命の主役に躍り出ようとしている。第３次ＡＩブームとも呼ばれ、その活用領域はかつてないほどの広がりをみせている。ＡＩブームは突然再燃したかにも見えるが、新たな取り組みは１０年前から始まり、そこに気付いた投資家らは早くから動いていた。今回のブームに日本勢はどう向き合えばよいのか。ＡＩ研究の草分けでもあるソニーコンピュータサイエンス研究所（東京都品川区）の北野宏明社長は「今回は数学の戦いだ」と明言する。（編集委員・斎藤実）

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  ３月中旬まで神奈川県藤沢市の公道で行われた「自動運転タクシー」の実証。自宅まで自動運転車が迎えにきて、途中の大通りでは自動運転に切り替わる（ロボットタクシー提供）

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  アルファ碁と李セドル九段の対局（ユーチューブ画面から）

■広がる活動領域−日本、欧米に比べ研究者不足

【変わる勢力図】

ＡＩ技術は２回にわたるブームと冬の時代を経て、現在に至っている。技術的には人の脳の構造をソフトウエア的に模倣した「ディープラーニング（深層学習）」の進歩と、それを実現す...