[ 政治・経済 ]
(2016/7/1 05:00)
(ブルームバーグ)キャメロン英首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選挙への出馬をボリス・ジョンソン前ロンドン市長が見送ったことにより、英国が欧州連合(EU)離脱を撤回する可能性は遠のきそうだ。
ジョンソン氏は離脱派のリーダーを務めていたものの、離脱派へのくら替えが比較的遅かったため、一部のアナリストや政治家からは、長く厳しいものにならざるを得ない離脱プロセスを本当に最後まで実行するつもりがあるのか疑問視されていた。
欧州改革センター(CER)のサイモン・ ティルフォード副所長は電話インタビューで、「恥ずかしげもなく離脱を撤回し、厚かましく英国の残留で話をまとめられる政治家が英国にいるとしたら、それはジョンソン氏だった」と指摘した。
キャメロン首相と、党首選への出馬を表明した5人の候補のいずれもが離脱プロセスをすぐに開始する予定はないとしていることを根拠に、次期首相がEU離脱を撤回する道筋を見つけるのではないかとの観測が強まっていた。
ジョンソン氏の不出馬により、メイ内相とゴーブ司法相が次期首相の有力候補に浮上。メイ内相は一時は残留を主張していたものの、6月30日にロンドンで支持者や記者団に対し、「英国のEU離脱の決定は実際に離脱することを意味する」と語った。ゴーブ司法相はキャンペーンを通じて離脱を強く訴えてきた1人。
欧州改革センターのティルフォード氏はジョンソン氏は「単なるご都合主義者」であり、ゴーブ司法相は「本物の離脱派」だと指摘した。
メイ内相はこの日、「裏交渉や国民投票のやり直し」によってEU残留を目指すべきではないと早くも明言。記者団に「キャンペーンを戦い、国民投票は実施され、投票率は高く、国民は決断を下した」と語った。
ゴーブ司法相とメイ内相はまず保守党議員にアピールする必要がある。保守党議員の来週の投票で獲得票上位2名となった候補が全国の党員15万人の判断を受けることになる。党首が決まるのは9月上旬。
原題: Brexit Means Brexit: Johnson’s Fall Reduces Room for EU-Turn (1)(抜粋)
(2016/7/1 05:00)