- トップ
- 自動車・輸送機ニュース
- 記事詳細
[ 自動車・輸送機 ]
(2016/7/8 05:00)
富士重工業は2017年3月期に航空機事業の設備投資で前期比約2・3倍の140億円を計画する。米ボーイングの次世代大型旅客機「777X」の機体部品向け自動化投資が中心。777X向け機体部品は三菱重工業や川崎重工業なども参画し、新工場建設や自動組み立てラインを整備中。17年の量産開始をにらみ、各社の設備投資はピークに達している。
富士重は777X向けに、胴体と主翼をつなぐ中央翼などを担当する。新設備を導入するのは宇都宮製作所(宇都宮市)と、半田工場(愛知県半田市)。
中央翼部材の加工などを担う宇都宮製作所では、錆の発生を防ぐプライマーの吹きつけや航空機用のシーラント剤の塗布に、アーム型ロボットを導入。鋼板に補強材を打ち付ける工程には、オートリベッター(自動打鋲機)を追加する。
中央翼を組み立てる半田新工場では、宇都宮で加工した部材を7メートル四方の1枚板に仕上げる。大物部品の搬送を現在主流のクレーンから、自動搬送装置に切り替える。連続搬送が可能になり、生産性が高まる。新工場の建屋はすでに完成、設備を順次設置し16年度末に稼働する。
ボーイングは生産能力の増強とコスト低減の両立をサプライヤーに求めている。各社は777X向けで、現状比15―20%のコストダウンが必要とみる。
川重は名古屋第一工場(愛知県弥富市)にロボットなどを導入した新工場を建設、17年春に稼働する。三菱重工も広島製作所・江波工場(広島市中区)に、自動組み立てラインを構築している。
(2016/7/8 05:00)