[ 環境・エネルギー ]

アンモニアから水素製造−広島大や昭和電工など、FCV用に世界初

(2016/7/20 05:00)

  • 昭和電工などが開発したアンモニア分解・除去装置

  • 大陽日酸が開発した水素精製装置

広島大学と昭和電工、産業技術総合研究所、豊田自動織機、大陽日酸は19日、アンモニアから燃料電池車(FCV)用の高純度水素を製造する技術の開発に成功したと発表した。実用可能な技術として世界で初めてという。昭和電工川崎事業所(川崎市川崎区)でのシステム実証に向けて、現在プロセス検討を行っている。

今回はアンモニア分解用ルテニウム系触媒の調製とアンモニア除去材料の作製、水素精製に関する技術を確立した。その上で、同技術を用いた各装置を実証システムの10分の1の規模で開発し、世界で初めてアンモニア由来のFCV用水素製造を可能にした。

基本的な仕組みはアンモニアを分解装置を通して水素と窒素の混合ガスを生成する。ただ、微量のアンモニアガスが残るため、そのアンモニアと窒素を除去装置などで取り除くことで高純度な水素を製造できる。

今後の目標は2018年度までに昭和電工川崎事業所において、1時間当たり10ノルマル立方メートルで水素を供給できる実証システムの開発を目指す。アンモニア水素ステーションの実用化には同300ノルマル立方メートル規模が求められる。

水素は常温で気体になるため、貯蔵や輸送面で大きな課題がある。一方で1分子当たり3原子の水素を持つアンモニアは常温なら液体であり、有望な水素エネルギー輸送手段だと期待されている。

(2016/7/20 05:00)

関連リンク

素材・ヘルスケア・環境のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン