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[ 商社・流通・サービス ]
(2016/8/1 05:00)
(ブルームバーグ)中国人の爆買いパワーを、世界最大の通販サイトがビジネスに取り込もうとしている。 米アマゾン・ドット・コムは、日本で運営するサイトの言語に中国語を新たに追加、さらに中国向けに配送料と手数料を抑えたシステムを導入したことが明らかになった。
アマゾンジャパンの ジャスパー・チャン社長がインタビューで明らかにした。日本から中国本土向けの販売には「大きな商機」があるとして、6月30日に日本サイトに中国語版を追加した。また中国向けに低めの配送料を設定し、輸出可能な品目を順次追加しているという。人民元での決済も可能にした。現時点で中国本土からの同サイト中国語版へのアクセスは「非常に堅調だ」と述べた。
中国人の爆買いで日中間の越境電子商取引(Eコマース)は大きな成長が見込まれている。 経済産業省によると、中国からの越境Eコマースによる日本経由の市場規模は2015年に7956億円に達し、19年にはさらに2兆3000億円超に拡大する見通しだ。こうした中、中国ネット通販最大手の アリババ・グループ・ホールディングは2月、日本製品の調達と拡販を目的とした「ジャパンMDセンター」を設立。日本製品を扱う通販スマホアプリも中国に多数存在する。
中国向け料金
アマゾンジャパンのサイトによると、中国本土向けの食品や化粧品などの配送料金は香港や韓国向けより100円安い。商品1点ごとの手数料も、中国向けは他国向けより1キロあたり200円低く設定されている。
チャン社長は、日本サイトは中国本土の消費者に狙いを定めているわけではないとしながらも、化粧品、健康食品、パーソナルケアなどを中国本土向けの重要分野と位置づけているという。ネット上での注文から、商品が中国の消費者に届くまでの購買体験の向上に努めていると述べた。
中国武漢市在住の会社員、銭婧さん(31)は、アマゾンの日本サイトから漫画本や文房具、清涼飲料を買った経験がある。配送は代行サービス会社を利用したが、当時はアマゾンに中国語の案内がなかったため、勉強中の日本語を使って希望の商品を探り当てた。「中国語で商品を探せればさらに便利だ」と述べた。
(2016/8/1 05:00)