[ エレクトロニクス ]

ルネサス、熊本・錦工場の運営継続−後工程全体を再検討

(2016/8/11 05:00)

  • ルネサスセミコンダクタパッケージ&テストソリューションズの錦工場(熊本県錦町)

ルネサスエレクトロニクスは10日、構造改革の対象になっていた錦工場(熊本県錦町)について、存続の是非に関する検討を中止し当面は継続すると発表した。8月までに是非を判断するとしていた。自動車向け半導体など、高品質な製品の需要が増えているため。今後は国内3工場と外部委託を含め、数年かけて後工程(組み立て・検査)全体の運営方針を検討していく。

錦工場は当初、譲渡または集約する方向で検討を進めてきた。柴田英利執行役員常務兼最高財務責任者(CFO)は「当初は落ち込むと見ていた稼働率が、想定よりも(上昇し)堅調に推移している」と説明した。

後工程は錦工場に加え、大分工場(大分県中津市)と米沢工場(山形県米沢市)で手がけている。また固定費圧縮のため、外部委託を拡大してきた。だが「自動車向けの需要が強いほか、車載用マイコンは技術的に委託しにくいことから、内製の必要性が高まっている」(柴田執行役員常務兼CFO)という。市場環境を踏まえ、最適な生産拠点のあり方を再考する。

また同日、16年4―9月期連結決算業績予想を公表した。売上高は前年同期比16・6%減の3010億円、営業利益は同58・8%減の260億円になる見通し。自動車や産業機器の市場は堅調だが、熊本地震による工場の被災で機会損失が生じる。また為替の円高も業績を押し下げる見込み。

一方、16年4―6月期連結決算は売上高が同15・2%減の1519億円、営業利益が同42・7%減の185億円だった。

(2016/8/11 05:00)

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