[ ICT ]
(2016/8/19 05:00)
(ブルームバーグ)米アップルは腕時計型端末「アップルウオッチ」をモバイル通信に対応させスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」がなくても通信可能にする重要な設計変更で、壁に突き当たった。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。それでも、秋に健康・フィットネスデータの記録・確認機能拡充を目玉とした新モデルを発表する計画は変えていない。
設計変更計画は非公開だとして匿名で語った同関係者によれば、アップルウオッチの新モデルは衛星利用測位システム(GPS)を利用した位置情報機能が使えるようになる。アップルの広報担当はコメントを控えた。
昨年4月に発売されたアップルウオッチは、アイフォーンの販売が鈍化する中で新たな大ヒット商品となることが期待されていたが、調査会社IDCによれば、今年4-6月期の出荷台数は160万台と、前年同期の50%未満にとどまった。
事情に詳しい関係者によれば、アイフォーン以外のモバイル通信に対応するアップルウオッチのモデル開発に向け、アップルは今年に入ってから米欧のモバイル通信事業者と協議を重ねた。しかしこの協議の中でアップルの幹部は、そのようなモデルの年内発売は難しいもようであり、モバイル通信対応はその後のモデルに先送りされる可能性があるとの懸念を表明したという。最も早くて今年12月の発売がやっとだとアップルは説明したと、関係者の1人は語った。
関係者3人によると、開発が遅れている主因は現在のモバイル通信用半導体の電力消費が激しくバッテリー寿命が短くなるためで、今後のモデルに向けてアップルは電力消費が比較的少ないタイプの半導体の研究を始めている。
原題: Apple Said to Hit Roadblocks in Cutting Watch Ties to IPhone(抜粋)
(2016/8/19 05:00)