[ 金融・商況 ]
(2016/10/5 15:00)
(ブルームバーグ)ドイツ最大の銀行である ドイツ銀行への政府支援の臆測についていえば、 メルケル首相にうまい答えはない。
納税者負担を伴わずに銀行危機を食い止める 欧州連合(EU)の新たなルールづくりを何年も主導してきたメルケル首相が、ドイツ銀への国庫補助の可能性を排除すると受け止められるかもしれない。しかし、それが総選挙を来年に控えた政治的方便だとしても、首相は可能性を否定していない。
銀行の苦境と向き合うメルケル首相やEUの他の指導者らは、ジレンマに直面している。ドイツ銀のような巨大金融機関は感染のリスクが存在するため、民間投資家に損失負担を強いるベイルインという最大の武器をメルケル氏は活用しない考えのようだ。「大き過ぎてつぶせない銀行」をめぐるEU全体の解決策について、主に同じ理由から政策担当者の迷いが深まっている。
マニュライフ・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、 ミーガン・グリーン氏は「ドイツ銀が万が一破綻した場合、一連のベイルインが実施される可能性が十分あるが、ドイツの経済と金融システムだけでなく欧州全体の金融システムにも影響が及ぶだろう。ベイルインのルールに従わないことを指導者らが最終的に決断することもあり得るだろう」と指摘した。
原題: Deutsche Bank Brings Too-Big-to-Fail Conundrum Home to Merkel(抜粋)
(2016/10/5 15:00)