[ 機械 ]

「FASE関西」開幕−ファナックなど、食品の自動化・衛生対策ニーズに対応

(2016/10/19 05:00)

  • ファナックのロボットを使ったキャベツの仕分け実演

18日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開幕した食品機械の展示会「FASE関西」(日刊工業新聞社主催)では、ロボットを活用した製造工程の自動化や工場内の衛生対策といった多様なニーズに応えるさまざまな切り口での提案が出そろっている。

ファナックはパラレルリンクロボットによる高速整列や、仕分け工程のハンドリングなどを提案。可搬重量3キログラムのパラレルリンクロボットは毎分144個と高速で菓子などを整列でき、カップラーメンに具を載せる工程にも使える。ハンドリング向けは「野菜の仕分け工程でニーズが出てきている」(鳥居信利常務理事ロボット事業本部本部長補佐)といい、力センサーでキャベツの重量を計測し重さに応じて仕分ける作業を実演している。

滝川工業(兵庫県加古川市)は「人手不足対策」(坪田義彦営業部第二営業課次長)とし、タワーコンベヤーと川崎重工業の双腕ロボット「デュアロ」を組み合わせて搬送工程の無人化を実演。加熱にIHを利用し急速加熱が可能な焼印装置も披露している。1台で焼き、蒸し焼きに使えるオーブンは蒸気バルブ電動に変えるなど制御の精度を高めた。

食品工場の環境衛生コンサルティングを手がける赤門ウイレックス(名古屋市中区)の目玉はダクトや排水設備など目に見えない部分の衛生リスクをカメラを使って診断し、ダクト清掃などの改善に導く提案だ。「関西では食品関連の展示会が少ないが、工場は多い」(大森健サニテーション事業部FMC営業部関東営業室長)とし、商談増に期待を寄せる。

三和建設(大阪市淀川区)は2011年にブランドを立ち上げ、食品工場向けの設計や施工を強化してきた。国内に市場や安定的なニーズが見込める食品工場の価値を高める狙いで、無料でセミナーを開催して顧客を囲い込み中長期的に受注につなげる。ブランドマネージャーの谷直人常務は「圧力の調整や交差汚染対策が必要な食品工場は、建築の中で難易度が高い」として提案に力を入れる。

梱包包装機材商社の板橋工業(東京都板橋区)は、展示会が少ない関西での開催に期待する。製封函と印字を一貫した梱包包装ラインなどを展示する。

(2016/10/19 05:00)

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