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[ 化学・金属・繊維 ]
(2016/11/7 05:00)
ステンレス関連企業の業績が回復してきた。主原料のニッケル価格が上昇し、販売単価もこれに連動。在庫評価損益も改善してきた。需要も引き続き底堅く、加工メーカーを含む関連5社の2016年4―9月期連結決算でも4社が営業増益を達成した。今後も原料市況、需要が比較的安定して推移しそうなことから、各社とも17年3月期は久々に好業績で着地できそうだ。
一時、1ポンド当たり3ドル台半ばまで落ち込んだニッケルの市場価格は6月以降、同4ドル台後半で推移。8月以降、2度の値上げを打ち出した日新製鋼の水元公二副社長は「ステンレスの荷動きは良い。ようやく一息つけた」と安堵(あんど)する。同社の4―9月期決算でステンレス事業の在庫評価損は7月予想の55億円から35億円まで圧縮。これを除く実質的な経常損益も「海外のグループ会社の業績が良かった」(水元副社長)ため、前年同期の10億円の赤字から損益ゼロまで回復した。通期も前期の20億円の赤字から10億円の黒字へ転換する。
新日鉄住金ステンレスは「戦略商品の構成を増やし、輸出よりも採算の良い国内の比率を増やした」(丸尾吉則取締役)と言うように高付加価値品の拡販もプラスに効いた。同様に、日本冶金工業も一般材の数量が6%減った半面、高ニッケル材を11%増やし、営業益段階で「数量減で2億円減ったが、高ニッケル材で4億円押し上げた」(小林伸互執行役員)としている。
ステンレス加工メーカーも業績は堅調。日本金属は自動車用光モールに加え、「スマートフォン向けで収益性の高い受注がスポットであった」(下川康志常務)ことなどで大幅増益を達成。高砂鉄工も「自動車向けの磨き帯鋼が想定より早く回復した」(大植啓一社長)ことが寄与した。
(2016/11/7 05:00)