[ 機械 ]
(2016/11/17 05:00)
工作機械各社はIoT(モノのインターネット)技術を活用したサービスに乗り出す。牧野フライス製作所は2017年1月に顧客の自社機をネットワークで監視し、生産効率を高めるサービスを開始する。ヤマザキマザックは不正アクセスを遮断し、工作機械などの設備をネット化する装置の国内投入を決めた。DMG森精機はIoTを活用した自社機の5年保証を17日始める。生産や経営を効率化する技術としてIoT普及に拍車がかかりそうだ。
牧野フライスが始めるのは金型メーカー向けIoTサービス。常時接続した顧客の機械を監視、分析し、故障を予防する。故障時は稼働データなどから原因を特定しやすくし、復旧までの停止時間を短くする。米国のIT企業と開発した。
DMG森精機は2年間の無償修理・保守を5年間に延長するサービスを始める。日本マイクロソフト(MS)とも、工作機械から収集した生産データなどを安全に管理、運用する技術で協力。17年春にも顧客に提供する。
ヤマザキマザックは米シスコシステムズと16日、IoTに関わる協業の強化を発表。共同開発で米国に先行投入し、17日に日本でも発売するネット化装置「マザック・スマートボックス」を使い、工場のビッグデータを収集・解析するクラウドサービスを開発する。山崎智久社長は「製造業のIoT化を推進していく」と語った。
一方、オークマは米ゼネラル・エレクトリック(GE)と協業する。GEグループのIoT基本ソフト(OS)「プレディックス」を工作機械に組み込み、生産データをクラウドに集積、分析する。ジェイテクトは他社製機器とのネット接続を容易にしたプログラマブルロジックコントローラー(PLC)「TOYOPUC」を軸に、工場のネット化のソリューション展開を進める方針だ。
IoTを活用した具体的なサービスは従来、構想段階だった。サービスの開始で各社の開発も加速しそうだ。
(2016/11/17 05:00)