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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/11/25 05:00)
トヨタ自動車は24日、リチウムイオン二次電池の充放電時に電解液中のリチウムイオンの挙動を観察する手法を世界で初めて開発したと発表した。大強度X線を用い、電池性能の低下の原因ともなるリチウムイオンの偏りをリアルタイムで高解像度・高速に観察できる。今後、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の航続距離と電池寿命が向上する研究開発につなげる。
ラミネートセルを使い、リチウムイオンが電解液中を移動する際に結合するリン含有イオンを観察しやすい重元素含有イオンに置き換えて実証した。大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)に設置した専用ビームラインで、X線装置の10億倍のX線が得られる放射光やカメラを活用して観察した。
観察結果を電池開発などに生かすことで、EVなどの航続距離が10―15%程度伸び、電池寿命の向上、電池開発のスピードアップも図れる。
これらの技術は「数年後の実用化を目指す」(菅義訓基盤材料技術部材料創生・解析室長)という。
(2016/11/25 05:00)