[ オピニオン ]
(2016/11/30 05:00)
COP(カンファレンス・オブ・ザ・パーティーズ)とは、条約の締約国の集まる会議の一般名称。昨年末、すべての国が参加する地球温暖化対策『パリ協定』を採択した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がよく知られるが、それだけではない。
12月4日からメキシコで、生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)が開かれる。2010年に名古屋市で開いた同条約のCOP10では、日本の主導で11―20年を『国連生物多様性の10年』と定め、同期間の戦略計画『愛知目標』を採択した。
生物多様性は、人間を含む多種多様な生物が互いにつながり合って生きている状態を指す。原材料となる生物資源にとどまらず水や空気も自然の恵み。人間社会の基盤と言っても過言ではないだろう。
今回、メキシコでの会合で主題となるのが、あらゆる事業活動に生物多様性の保全と持続可能な利用を組み込む「主流化」だ。まず各国が取り組みやすい農林水産業と観光業に焦点を当てて話し合われる。
企業活動は、多かれ少なかれ生物多様性に依存している。地球温暖化対策に劣らず、生物多様性の保全の努力から手を抜くわけにはいかない。生物多様性条約のCOP13に注目したい。
(2016/11/30 05:00)