[ 科学技術・大学 ]

車塗装後の補修研磨、慶大が自動化−熟練者レベル実現

(2016/12/28 05:00)

  • 熟練工の工具軌跡や力加減をデータベース化し、自動研磨機で再現する

慶応義塾大学理工学部の柿沼康弘准教授らは、熟練者が行う自動車塗装後の補修研磨を自動化する加工法を開発した。熟練者が手作業で仕上げる際の工具の軌跡や力加減をデータベース化。加工物表面の曲面形状に対し、工具が常に垂直に当たるように姿勢を制御する技術も採り入れた。この加工法による研磨実験で、熟練者による手作業と同等の加工品質を再現できた。

新車工場での車体塗装の最終仕上げ工程への導入を目指す。車体塗装後の補修研磨は難度が高く、熟練者による手作業が一般的だ。ただ、研磨剤の飛散による健康被害や、手作業に伴うコスト高、熟練者不足といった課題を抱える。

作業の自動化は、こうした課題の解消につながる。自動化によって、加工品質を一定にできる利点もある。

柿沼准教授らは、持ち運び可能な5軸研磨加工機を開発した。補修研磨が必要な場所の近くに同加工機を運ぶ手間はかかるものの、従来の手作業を半自動化できる。

手作業と同等の品質を自動化で実現するには、未知の曲面に対しても工具を常に垂直に当てる必要がある。同加工機は、工具が加工物表面に接触した時に発生する力を基に工具の向きを検知し、姿勢を制御できるようにした。

(2016/12/28 05:00)

関連リンク

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

ゴム補強繊維の接着技術

ゴム補強繊維の接着技術

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

事例で解決!SCMを成功に導く需給マネジメント

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

集まれ!設計1年生 はじめての締結設計

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

これで差がつく SOLIDWORKSモデリング実践テクニック

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン