- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2017/1/23 05:00)
慶応義塾大学理工学部の伊藤勇太特任助教らは、現実世界のボールの動きを予測して、未来の軌跡をAR(拡張現実)技術で映し出すシステム「ラプラシアンビジョン」を開発した。モノの動きをコンピューターで解析し、シースルー型ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)でリアルタイムに表示する。野球でバッターが打った直後にホームランになるか、飛行軌跡を表示できるようになるほか、交通ルートや津波の予測などにも応用が期待できる。
シースルー型HMDと物理シミュレーションを組み合わせた。ボールの動きを計測して軌跡をシミュレーションし、ユーザー視点の映像に変換してHMDに表示する。物理シミュレーションを簡略化し、計測から表示までの計算時間を短縮した。ボールが通過した部分の軌跡を消して、新しく先の軌跡を表示するなど、ほぼ遅延を感じずにリアルタイムに更新できる。
今回、計測システムに光学式のモーション・キャプチャーシステムを利用した。野球やラグビーなどのスタジアムで行うスポーツは高解像カメラで代替可能。打球の落下地点を選手や観客に教えて、キャッチできるかどうか成功率を表示するなど、スポーツ演出の幅を広げることができる。
津波や交通ルートの予測では、IoT(モノのインターネット)やネットワークと連携して、少し先の未来をシミュレーションしHMDでガイドする。自動運転のインターフェースなどに提案していく。
(2017/1/23 05:00)
関連リンク
科学技術・大学のニュース一覧
- ボールの動き、未来予測−慶大がAR型HMD表示システム(動画あり)(17/01/23)
- 「黒潮」が爆弾低気圧を日本に呼ぶ−海洋機構と北大、仕組み解明(17/01/23)
- 裏読み科学技術(31)VB経営「ソード社」教訓に(17/01/23)
- 阪大、SiCパワー半導体配線に銀印刷−シリコン比10分の1に小型化(17/01/23)
- 東北大、教育時の脳の働き解明−携帯ゲーム機活用(17/01/23)
- 通信技術試験衛星「きく8号」、10年の役目終える(17/01/23)
- ウイルス・細菌を低コストで高感度検出-大阪府立大が原理構築(17/01/23)
- 経営ひと言/芝浦工業大学システム理工学部長・教授の渡部英二さん「出所に驚く」(17/01/23)