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[ 科学技術・大学 ]
(2017/1/23 05:00)
海洋研究開発機構アプリケーションラボの吉田聡研究員と北海道大学大学院理学研究院の見延庄士郎教授は、日本列島の南側を流れる暖流「黒潮」が暴風や大雨などをもたらす「爆弾低気圧」を日本に集中させていることを発見した。海洋機構のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」で過去20年間の海面水温のデータを解析し明らかにした。気候変化の予測に役立つ可能性がある。
人工衛星で観測した1981―2001年までの海面水温データを解析。1月に黒潮がある時は、爆弾低気圧が北西太平洋域で集中して発達した。一方、黒潮がない場合は爆弾低気圧の発達する領域が東に移動することを明らかにした。日本での爆弾低気圧発達が北東太平洋上の偏西風「ジェット気流」に作用し、北米西岸やハワイ付近の降水量に影響を与えることも突き止めた。
さらに黒潮と爆弾低気圧の発達との関係を調べた。低気圧が黒潮の上を通り過ぎる際、黒潮から蒸発する水蒸気を低気圧が取り込むことで爆弾低気圧を急激に発達させていることを明らかにした。
成果は21日、気候学の専門誌ジャーナル・オブ・クライメイト電子版に掲載された。
(2017/1/23 05:00)
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