- トップ
- 自動車・輸送機ニュース
- 記事詳細
[ 自動車・輸送機 ]
(2017/1/30 05:00)
日産自動車は、三菱自動車が現地企業に車両生産を委託している新興国地域で、仏ルノー・日産連合の工場を使って三菱車を生産する方針を明らかにした。ブラジルとインドが候補とみられる。工場を互いに活用しシナジーを引き出す。北米でも生産能力の増強を検討し、世界各地で需要と生産能力に応じた最適な生産体制を築いていく。
カルロス・ゴーン社長が29日までに日刊工業新聞社のインタビューに応じ「三菱自が生産を委託している地域はたくさんあるが仏ルノー・日産連合の工場の方がはるかに効率的に生産できる」と語った。同連合の工場で三菱車を生産し、コスト競争力を高めて拡販を支える。
三菱自が現地企業などに車両の生産を委託しているのは、ブラジル、インド、マレーシア、バングラデシュ。このうちブラジルは、三菱自がスポーツ多目的車(SUV)の生産を現地会社に委託している。ルノーと日産はそれぞれ自前の工場を持つため、これらの工場が活用できるとみる。インドでも三菱自は現地企業に生産委託しているが、ルノーと日産が共同運営する工場の活用を検討する。
ゴーン社長は三菱自の販売について「米国、欧州、ロシア、ブラジルなど存在感が低い地域があり、成長の余地は大きい」との見解を示した。日産は16年秋、三菱自を傘下に収めシナジーの柱として工場の相互利用を掲げていた。
また北米の投資について「需要は拡大しており日産の工場はフル稼働だ。生産能力を増強する必要があるのは明らかだ」と意欲を示した。日産は米国とメキシコに工場があるが「新たな貿易ルールが制定されるまで(投資判断の決定は)待たないといけない。ルールが変更されたらそれに合わせる」と投資先については米新政権の政策を注視する考え。
(2017/1/30 05:00)