[ オピニオン ]
(2017/2/8 05:00)
家庭電化製品は家事から庶民を解放する。昨今流行の調理家電は面倒な熱加減をコントロールしてくれる。ロボット掃除機は床掃除を任せられるところまで来たし、空調機のフィルター清掃も自動化が進む。
3月には人工知能を使って洗濯物を折り畳む先端家電が登場する。作業は人より遅いが、夜入れておくと翌朝には畳んでおいてくれるそうだ。メーカーによると、4人家族の主婦は一生に約1年分の時間を洗濯物を畳むことに費やすとか。
次の狙い目はトイレと風呂だろう。トイレでは、使うたびに微量の食器用洗剤と泡で洗い流す『全自動おそうじトイレ』が人気で、シェアを伸ばしている。泡をためておくことで小用時の跳びはねを抑え、周辺も汚れにくい。
風呂の場合、湯の循環で汚れを除去し、紫外線やイオン放射で雑菌などの発生を防ぐ技術はある。ただフィルターや電気のコストもあって一般化していない。水回り設備は普通は家電に区分しないが、それを見直す時期も遠くなさそうだ。
「こすって洗う」作業を、そのままロボットが代替するとは限らない。携帯電話があっという間にスマートフォンへと形を変えたように、トイレが想像もつかない形と便利さを得た姿を見たい。
(2017/2/8 05:00)