[ 政治・経済 ]
(2017/2/8 12:00)
【ワシントン時事】米政府機関の国際貿易委員会(ITC)は7日、道路舗装用の素材が中国から米国に不当に安く輸入され、米国企業に被害を与えていると最終認定した。これを受け、米商務省が決めた372・81%の反ダンピング(不当廉売)税率の適用が確定した。トランプ政権発足後、中国製品に対する制裁関税の適用が確定したのは初めて。
米商務省はオバマ前政権下の1月上旬に税率を決めたが、中国はトランプ大統領の強硬姿勢を警戒しており、制裁関税に反発する可能性がある。
対象は道路の舗装を補強する「二軸ジオグリッド」。ITCは中国が輸出に不当な補助金を支給していたことも認定。補助金支給額に相当する15.61~152.5%の相殺関税率の適用も確定した。商務省によると、2014年の米国の輸入額は前年比76.6%増の924万9000ドル(約10億円)だった。
トランプ大統領は貿易赤字の削減を優先課題に挙げ、中国を「不公平な貿易や通貨安誘導を行っている」などと批判している。中国は報復を辞さない構えを示しており、米中の貿易摩擦の激化が懸念される。
(2017/2/8 12:00)