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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/2/11 17:00)
米フォードモーターは10日、人工知能(AI)やロボット開発を手がけるスタートアップ企業のアルゴAI(Argo AI、ペンシルベニア州ピッツバーグ)に10億ドル(約1130億円)を投資すると発表した。これにより、フォードは2021年までに商用化を計画している完全自動運転車の開発に弾みをつけると同時に、両社で作り上げる自動運転車向けソフトウエアプラットフォームを他社にもライセンス供与していく方針だ。
アルゴAIを設立したブライアン・サレスキーCEOとピーター・ランダーCOOはともに、ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学全米ロボティクスエンジニアリングセンターの出身。アルゴAIの前にはそれぞれ、グーグルとウーバーの自動運転車プロジェクトのチームリーダーを務めていた。
フォードでは現在、「バーチャル・ドライビング・システム」と名付けた機械学習(マシンラーニング)による完全自動運転システムを開発中。同社は向こう5年間で10億ドルをアルゴAIに投資し、株式の大部分を握る一方、アルゴAIのロボットとAIのエンジニアをフォードの自動運転車プロジェクトに加え、目標とするSAEレベル4の自動運転車の開発を加速する。また、アルゴAIでは、フォードの資金をもとに2017年末までに社員を200人以上に増やすという。
さらに、フォードは自ら設立した子会社のフォード・スマート・モビリティとアルゴAIとを協力させることで、フォード・スマート・モビリティが狙うライドシェアリング(乗り合い)や配車サービス、荷物配送での自動運転車の商用化を推進する。
フォードは自動運転車への取り組みを積極化しているが、ライバルのGMなどに比べ、この分野での大型の買収・出資案件はあまりない。2016年に、自動運転車のキーパーツであるライダー(LiDAR=光検出・測距)センサーのトップ企業である米ベロダイン・ライダーに7500万ドルを出資し、株主の1社に加わった程度だった。
(2017/2/11 17:00)