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[ エレクトロニクス ]
(2017/2/14 20:30)
東芝は14日、同日予定していた2016年4~12月期連結決算発表を延期し、監査承認前の業績を見通しとして公表した。米原発事業の巨額損失が響き、純損益は4999億円の赤字となった。前年同期の4794億円の損失に続く2年連続の赤字。営業損益ベースで、7125億円の原発関連損失を計上。12月末の株主資本は1912億円のマイナスとなり、負債が資産を上回る債務超過に陥る。
4~12月期決算については、監査中に米原発事業の会計処理などに関し、不適切な対応を指摘する内部通報があり、四半期報告書に影響を与える可能性があるとして延期した。調査に時間を要するため、関東財務局に報告書の提出期限を3月14日に延長する申請を行い、承認された。
記者会見した綱川智社長は「決算発表の遅れを心よりおわびする。3月14日の期限前の早期提出に向け全力を挙げる」と語った。
通期の17年3月期も3900億円の純損失となり、3年連続で赤字となる見通し。株主資本は現時点では3月末も1500億円のマイナスになる見込み。経営への影響が大きい3月末の債務超過を回避するため、主力の記憶用半導体フラッシュメモリー事業を分社化して外部出資を仰ぎ、2000億~3000億円の資本を増強する方針。
分社化して発足するメモリー会社は中期的に株式の過半を他社に譲渡することも検討する。綱川社長はメモリー会社の全面売却を問われ、「全ての可能性がある」と述べた。
東芝によると、17年1月8日と19日に、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)による原発建設会社の買収に関する会計処理について、内部統制の不備があると通報があった。監査委員会がWHを調査した結果、経営者から幹部が不適切な圧力を受けたとの指摘があった。
このため、監査委は弁護士事務所の協力を得て、米原発事業で不適切な対応がなかったか調査を始めた。調査は1カ月程度かかる見込み。
ただ、現時点では公表した業績見通しの修正につながる重要な事項は認識していないという。(時事)
(2017/2/14 20:30)