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[ 環境・エネルギー ]
(2017/3/3 05:00)
太陽光パネルの高出力化競争が激化している。韓国LGエレクトロニクスは新技術を採用し、出力365ワットのパネルを開発した。量産時期は未定だが、同じサイズのパネルでは世界最高水準となりそうだ。パナソニックは出力を向上させた新製品を4月、市場投入する。中国トリナ・ソーラーはパネルの表と裏の両面で発電できる新パネルを7月に発売。市場が縮小し、主戦場がコスト競争になりつつあるが、各社とも性能に磨きをかけて差別化する。
LGエレクトロニクスは、銀色の配線を太陽電池セル裏面に形成する裏面電極(バックコンタクト)技術を採用した。セル表面は光を遮る配線がなくなり、全面を発電に使えて高出力化できる。光を電気へ変える変換効率は21・1%。
裏面電極は米サンパワーが初めて量産し、世界最高の変換効率を樹立してきた。サンパワー製を調達する東芝は345ワットのパネルを発売した。LGエレ製とサイズが違うので出力の単純比較はできないが、変換効率は21・2%と世界トップ。
パナソニックの新製品は252ワット。結晶と非結晶シリコンを組み合わせた独自セルの性能を高め、従来品より2ワット向上させた。変換効率は19・6%。LGエレ、東芝よりも小さいサイズとなっており、住宅向けに販売。シャープは住宅用パネルに裏面電極を採用した256ワットを販売する。変換効率は19・6%。
トリナ・ソーラーはセルの表面、裏面ともガラスで挟んだパネルを7月に発売する。裏面を樹脂で覆う通常のパネルと違い、裏面でも発電できる。地面からの反射光を受けた裏面でも発電できるので、表面だけのパネルよりも出力を25%増加できるという。
高出力化すると1枚当たりの発電量を増やせる。狭い土地や屋根など限られた場所ほど、高出力パネルの需要があり、各社とも開発で火花を散らす。
(2017/3/3 05:00)