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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/3/9 12:30)
ライバル・ウーバーからトップエンジニア引き抜き
中国の配車アプリサービス最大手で米アップルが10億ドルを出資する滴滴出行(ディディチューシン)が、シリコンバレーに研究拠点を開設した。同社としては初の国外拠点で、現地で優秀なエンジニアを雇用し、人工知能(AI)や自動運転車の開発に乗り出すという。
滴滴は中国版ウーバーとも言われ、昨年8月にはライバルであるウーバーの中国事業を買収している。今回はさらに、ウーバーの本社のあるサンフランシスコにほど近いマウンテンビューに研究拠点を構え、著名エンジニアをウーバーから引き抜くなど攻勢を強めている。
この研究拠点のトップには同社情報セキュリティー担当のフェンミン・ゴン副社長が就任。また、研究チームのトップとして、先週まで1年半に渡りウーバーに所属していたコンピューター科学者のチャーリー・ミラー氏を雇い入れた。ミラー氏は2015年に高速道路を走行するジープ・チェロキーをハッキングして停止させる映像を公開し、世界を驚かせた2人のうちの1人。現地の報道によれば、グーグルの自動運転車部門ウェイモの上級ソフトウエアエンジニアも滴滴に移籍したという。
滴滴は以前から自動運転に高い関心を示しており、コンピューター科学を中心としたMOOC(大規模公開オンライン講座)として評価の高い米ユダシティと組んで、賞金10万ドルの自動運転ソフトウエア競技会も共催している。
不祥事相次ぎ、批判高まるウーバー
一方、ライバルとされるウーバーは、このところ不祥事が相次ぎ、シェアリングエコノミーの寵児から一転、批判にさらされている。
2月には元従業員がブログで在職中にセクハラを受けたと暴露。さらに、ウーバーが買収した新興企業オットーの従業員がウェイモの企業秘密を盗んだとしてウェイモがウーバーを訴えたほか、警官などの当局者を特定し取り締まりを逃れる秘密のソフトウエアツールを使っていた疑惑も報道された。トラビス・カラニックCEOがウーバーの運転手と口論している動画もネットで公開され、同CEOは指導態勢を強化すべく、経営パートナーとなる最高執行責任者(COO)探しに乗り出している。
(2017/3/9 12:30)