[ 機械 ]
(2017/3/29 05:00)
【静岡】スター精密は、主軸固定型自動旋盤の生産を再開する。主力の主軸移動型(スイス型)自動旋盤の技術を応用し、2010年に参入したが需要が伸びず休止していた。開発する主軸固定型は重切削など高品質加工に対応し、今夏をめどに完成させる。機種のシリーズ化を視野に入れ、売り上げで100億―150億円規模に育てる。需要増に備え、生産現場の自動化など効率化策を講じ、工作機械事業の体質強化につなげる。
スター精密はスイス型自動旋盤が主力で、欧州ではトップシェアを持つ。ただ「スイス型は売上高400億円が限界」(佐藤衛社長)と見通しており、今後、需要の伸びが期待できる主軸固定型市場に再参入することにした。
主力のスイス型が小物精密部品加工に適しているのに対し、主軸固定型は重切削に対応する。世界的に需要が堅調な建設機械向けなど、比較的大きな加工物の需要を取り込む。
工作機械の生産拠点とする菊川工場(静岡県菊川市)で取り組む生産の自動化対応は、研磨工程にセル生産方式を採用したほか、多関節ロボットの導入などを計画。すでにブロックビルド生産方式の採用で生産リードタイムの半減などコスト削減効果を得ており、今後4年間で生産性を50%程度高める。
同社は17年度を初年度とする中期4カ年計画を3月にスタートした。同中計ではIoT(モノのインターネット)事業とともに、主軸固定型自動旋盤の再参入を重点施策の一つに位置付けた。最終年度の21年2月期に工作機械部門で売上高500億円を目指す。
(2017/3/29 05:00)