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[ エレクトロニクス ]
(2017/4/5 05:00)
富士通と米オラクルは4日、高性能のUNIXサーバー「スパークM12=写真」を2モデル発売したと発表した。富士通が中央演算処理装置(CPU)「スパーク64XII」を含めて開発し、オラクルとの共同ブランドで販売する。心臓部のスパーク64XIIはコア(回路)当たり性能が、従来機のスパークM10に比べて最大2・5倍と世界最高を実現した。
CPU2個搭載の中位機「スパークM12―2」と、最大32個まで段階的に拡張できる上位機「スパークM12―2S」の2種。価格は中位機が590万円(消費税抜き)から、上位機が約1600万円(同)から。今後2年間で国内外で1万台の販売を見込む。
CPUを含め、製品を刷新したのは4年ぶり。コア数を従来の16個から12個に減らす一方で、コア性能を高め、コア課金のソフトライセンス(使用許諾権)料の大幅削減に貢献する。
製造には線幅20ナノメートル(ナノは10億分の1)の微細プロセスを採用。動作周波数は最大3・25ギガヘルツ(ギガは10億)に高めたほか、同時並列処理に必要なスレッド数を従来比4倍の八つに増やした。スレッドを増やすことで、ブロックチェーン(分散型台帳)技術にも対応できるという。
CPUの微細化に伴う発熱対策では、ポンプで冷媒を循環する減圧気化冷却方式「VLLC」を業界で初めて開発した。従来の冷却方式と比べて冷却効率を約2倍に高めた。またソフトウエアで行っていた10進演算や暗号化をハードで一部処理する「ソフトウエア・オン・チップ」技術も強化した。
最大16台の筐体(きょうたい)を連結でき、1システム内に3000以上の論理的なCPUを動かせる。基幹業務からビッグデータ(大量データ)まで、あらゆるデータベース(DB)処理を飛躍に向上できる。
(2017/4/5 05:00)