[ 中小・ベンチャー ]

和風トイレをドバイへ 仙台の水道工事会社、浮世絵など50種デザイン

(2017/4/7 05:00)

  • 和風の洋式トイレで海外ニーズを”くみ取る”?

【仙台】仙台空港駅(宮城県名取市)に、仙台・宮城の観光PRキャラクター「むすび丸」をラッピングしたトイレがある。このユニークなトイレは、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)で話題になった。手がけたのは社員9人の水道工事会社、泰光住建(仙台市泉区、赤間晃治社長、022・378・4543)だ。

商品名は「アートレッタ」。「アート」と「トイレッタ」(イタリア語でトイレの意味)を組み合わせた造語。葛飾北斎や写楽らの浮世絵、日本画のほか、キャラクターなど50種類以上のデザインを用意する。

赤間社長は「トイレにシールを貼るだけと思われては困る」と力を込める。輸入した素材に改良を加えた独自のフィルムと、便器の形状に合わせた図面の設計が必要で、職人の手によるミリメートル単位の施工技術が生きている。赤間社長は日本最大級のデザイン展「東京デザインウィーク」(2016年)でトップクリエイター50人に選ばれた。

赤間社長は「市場は日本でなくてもいい」と海外に目を向ける。現在、ドバイ(アラブ首長国連邦)で事業展開を模索する。「流行の感度が高く、他国の人も多く訪れる。同国を足がかりにし、距離的にも近いアジアやヨーロッパへの進出も狙える」と話す。

トイレッタの価格は本体を除く施工費用が8万5000円から。20年度に事業売上高1億円を目指す。機能性と清潔感を重視するトイレに、地方の水道工事会社がアートデザインで新風を吹き込もうとしている。

(2017/4/7 05:00)

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