[ 中小・ベンチャー ]

【電子版】優勝賞金100万ドルの「スタートアップワールドカップ」、次回は30カ国に対象拡大

(2017/4/16 09:00)

  • 2018年のスタートアップワールドカップの概要を説明する米フェノックスVCのウッザマンCEO(13日、都内で)

優勝した企業に100万ドル(約1億800万円)を投資する初の起業家コンテストを3月に主催した米フェノックス・ベンチャーキャピタル(VC)が、2018年の「スタートアップワールドカップ(SWC)」の概要を公表した。第1回SWCの予選が日本を含め12カ国・地域だったのに対し、18年の第2回は30カ国・地域に対象を拡大。18年5月11日にサンフランシスコで決勝大会を行い、日本予選は17年10月18日に東京・丸の内の東京国際フォーラムで開催する。

13日に都内で会見したフェノックスVCのアニス・ウッザマンCEOによれば、地域予選の拡大に伴い、来年のサンフランシスコの決勝大会では30チームが決勝前日に準決勝を行い、上位15チームが決勝に進出する方式に変更する。世界の政府・スタートアップ関係者からの注目度も上がっているようで、「すでに65カ国から地域予選開催のオファーが来ている」(ウッザマンCEO)という。

3月24日にサンフランシスコで決勝大会が行われた第1回SWCの予選には、世界から1万社以上のスタートアップが応募。米国4チームを含む15社で決勝を争った結果、保育園のIoT(モノのインターネット)サービスを提供する日本のユニファ(名古屋市中区)が優勝した。

決勝大会には1500人以上が来場したが、300以上のVCも会場に詰め掛け、「これだけ一度にVCが集まるイベントは米国でも珍しい」とウッザマン氏は話す。VCが投資先として有望なスタートアップを探しているためで、会見でユニファの土岐泰之社長も、「国内外の投資家から投資の話が寄せられている」と明かした。ユニファでは今回の100万ドルの優勝賞金や新規投資を元手に、保育サービスの海外展開に乗り出す計画を打ち出したほか、子どもなどが対象の見守りAI(人工知能)といった新技術の開発も進める。

一方、フェノックスVCでは、第2回SWC決勝大会に大物をゲスト講演者として招聘する考え。ウッザマン氏は、バラク・オバマ前大統領やヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソン氏の名前を挙げ、大会当日に講演してもらう方向で交渉を進めることを明らかにした。他の候補者には、サン・マイクロシステムズ共同創業者でコースラベンチャーズ創業者のビノッド・コースラ氏、アリババ創業者兼会長のジャック・マー氏、フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏、ペイパル共同創業者でトランプ大統領のアドバイザーでもあるピーター・ティール氏が含まれる。

ちなみに第1回大会では、アップルコンピュータ(現アップル)共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏、ソーシャルニュースサイト「レディット(reddit)」共同創業者のアレクシス・オハニアン氏、ヒップホップ系カジュアルファッション「フーブー(FUBU)」創業者兼CEOで、ABCで放映されている「シャーク・タンク」(米国版「マネーの虎」)のメーン出演者として人気のデイモンド・ジョン氏、元アップルコンピュータ・エバンジェリストのガイ・カワサキ氏らが登壇した。

(2017/4/16 09:00)

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