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[ 科学技術・大学 ]
(2017/4/21 05:00)
東京工業大学工学院機械系の坂本啓准教授らは、高機能展開膜を実証する超小型衛星「OrigamiSat―1」(オリガミサット1)のプロジェクトを2014年から始めた。薄膜太陽電池を貼り付けた1メートル四方の膜を10センチメートル角の入れ物に収まるように折り畳み、宇宙空間で展開する。坂本准教授は「小さくたたんで大きく広げる技術を利用し、今までにないものを作りたい」と意気込む。
実証技術が成功すれば「木星探査など惑星間航行を行う際の宇宙機に載せられるのでは」(坂本准教授)と深宇宙探査の可能性に期待が膨らむ。
展開前の衛星の大きさは10センチ×10センチ×34センチメートルの直方体で質量は4キログラム。2018年度に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型固体燃料ロケット「イプシロン」で宇宙に運ぶ。上空500キロメートルで地球表面の観測に適した「太陽同期軌道」に投入し、マストを伸ばし膜を展開。高度400キロメートルに落下したところで膜を切り離す。
プロジェクトでは民生部品を利用した衛星開発と伸展マストを使い、軌道上での撮影技術も実証する。静止カメラと動画用カメラで、膜の形状を把握する。実証した技術は他の衛星にも適用していくという。坂本准教授は「衛星開発の敷居を下げ、さまざまな宇宙実験ができるようにし、超小型衛星の可能性を広げたい」と宇宙実験のプラットフォームの構築を目指す。(冨井哲雄)
(金曜日に掲載)
(2017/4/21 05:00)
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