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[ 科学技術・大学 ]
(2017/5/3 05:00)
【神戸】甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)の杉本直己所長らの研究グループは、がん細胞の増幅を阻害する四重らせん構造をDNA(デオキシリボ核酸)上に安定形成する新たな相互作用を発見した。四重らせんは細胞のがん化に関わるテロメアの伸長反応を阻害する。安定形成するメカニズムが分かれば、薬効の高い抗がん剤の開発につながると期待される。
生体内のDNA標準構造は二重らせんだが、四重らせんを形成すると、遺伝情報伝達に関わる反応を阻害する。疾患遺伝子の発現を抑制でき、あらゆる疾患に効く薬剤開発に応用できる。
今回、安定化には炭素と水素の塩基(CH)と面(π)の間に働く相互作用「CH―π」が起因していることが分かった。従来の抗がん剤にCH―π相互作用を増強する分子を付加できれば、薬効が高まると考えられる。
これまで四重らせんの安定形成には、π同士が電気的な作用を介して結合する「スタッキング相互...
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(2017/5/3 05:00)
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