[ ICT ]
(2017/5/8 14:00)
(ブルームバーグ)テクノロジー株投資を長年避けていた米資産家ウォーレン・バフェット氏はIBMに賭けてつまずいたが、その失敗にもかかわらずハイテク業界への投資にくじけていない。
バフェット氏は6日、最高経営責任者(CEO)を務める投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの年次株主総会でIBMについて、「この6年でもっとうまくいくと考えていた」とコメント。「アップルについては、かなり異なるビジネスだと私は受け止めている。アップルはもっと消費者製品のビジネスを営み」、ライバル企業がまねしづらい商機を見いだす技量があると指摘した。
アップルはバークシャーの保有銘柄上位にあり、3月31日時点の保有額は約192億ドル(約2兆2600億円)。バフェット氏は今週、保有していたIBM株を3分の1売却したことを明らかにしたことから、同社株は5日に2.5%下落した。
バフェット氏とバークシャー副会長のチャールズ・マンガー氏は、コカ・コーラなどの消費者製品企業や鉄道などの従来産業への投資を通じて、バークシャーを世界屈指の大企業に飛躍させてきた。マンガー氏は6日、シリコンバレーのテクノロジー企業への投資を避けたのは両氏にとって意味があることだったが、例外もあるとコメント。「テクノロジー分野での最悪の失敗は何だったのか。グーグルを理解できるだけの分別はわれわれにあったと思うのだが」と述べた。
グーグルの親会社アルファベットの株価は今年、20%上昇している。バフェット氏はバークシャーのガイコ部門がグーグルの初期の顧客だったことを明かし、ガイコがクリック1回ごとに支払う料金を考えればグーグルが有望だと見るべきだったと発言。「質問したりするなどして自ら学ぶ方法はいくらでもあったが、チャンスを逃した」と述べた。また、アマゾン・ドット・コムに投資せず好機を逸したと付け加えた。
バフェット氏はアップル株への最近の賭けが2011年のIBM投資よりも賢い選択かどうかは時間がたてば分かると述べた上で、両社の顧客はタイプが異なるためそれぞれ独特の分析が必要だと強調した。
原題: Buffett Says His IBM Thesis Was Flawed, He Blew It on Google (1)(抜粋)
(2017/5/8 14:00)